1人、泣きたい夜がある。

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最近クラスで楽しそうに話しているクラスメートを見ていると、物凄くどろどろした黒い感情を覚える。

何でそんなに笑顔なの。幸せそうなの。

そんな自分が嫌で嫌で、なんでそんな風に思っちゃうのか分かんなくて、答えの代わりに涙が溢れる。


prrrr......

prrrr......


音のしない1人の家に、無機質な音が響く。

驚いて、思わず肩を震わせた。


時計を見ると、もう10時過ぎ。

家族は、私をおいて旅行に行っている。秀明だから仕方ないと、自分の悔しさと憎しみを抑えた先週の出来事が脳裏に浮かんだ。


電話のもとへ階段を降りている途中、もう秀明は終わったのか、と呑気なことを考えていた。


「…はい。」

「アーヤか！？」

「……え」


「アーヤ、大丈夫だった！？」

「声、聞こえたよね！」

「安心した…」

「久しぶりだよ、こんなに焦ったの。」


電話に出た途端、耳に飛び込んでくる若武の耳が痛くなるほど大きな声。

その状況を必死に理解しようとする前に聞こえてきた、KZの皆の慌てる声。


「な、んで…？」


無意識に、さっき止まった涙がまた流れ出した。でも、哀しさや苦しさはなくて全然辛くなくて。流れる涙が気持ちいい、不思議な感覚。

…きっと安心したんだなあ、私。

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