あの日の私は、雨模様。

12，分からない ページ13

「宮田くん…先行ってて。」

「で、でも…」

「ほら、早く。」

「……早く戻ってきてくださいよ！！」




　はいはい、と笑って返事をする。
　
　まったく、真面目なんだから。




「ねえ、仕事中にこういうことやめてよ。」


　

　私は怒りを含んだ声で"翼"に向きなおる。



　＿＿美門翼。

　2年前に別れた、私の元カレだ。

　……こんなとこで再会するなんて、思ってもなかった。思いたく、なかった。だって、貴方にはもう会わないと決めていたし、会えないと思っていたから。




「ごめん。放っておけなくて。」

「…」

「ここで働いてたんだ？」

「…うん」




　翼は気まずくないの？

　なんで…話しかけてくるの？


　無視すれば良かったのに、私なんて。

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