雑渡さん、だめっ。

忍術学園こんにちは！　の段　３ ページ40

学園長先生と共に、みんなで校庭へ向かった。
校庭へ着く少し前に、学園長先生にここで待つようにと言われ、私たちは、物陰に隠れるように待機した。

学園長先生は去り際に、雑渡さん、高坂さんとなんかヒソヒソ話していたのが気になるけど。
登場の仕方とか話していたのかな？
いやっ、でも高坂さんいるからそんなお茶目な登場しないよね？

そうこう考えていると学園長先生の「それでは新しい先生を紹介する！」という声が聞こえた。
物陰から出ようとすると、雑渡さんに腕を掴まれた。

雑「Aちゃん。ここは忍者の学校だよ。」

何故ちゃん付け。何故そんなに笑顔？

そんな私の疑問は考えるまもなく消え去った。

体がものすごい速度で勝手に移動している。周りの景色は、早すぎて見えない。

私「え？！えええええ！！！私どうなってます？！」

雑「しーっ。もうちょっとだからちょっと静かに。」

真上から雑渡さんの声が聞こえたかと思うと、落下する感覚に襲われた。怖くなり目をぐっと閉じた。


しばらくすると、あんなに早く移動していた私の体がピタッと止まった。

恐る恐る目を開けると、雑渡さんのお顔がドアップ。
というか、雑渡さんにお姫様抱っこされていた。

私「どういう状況ですか？！」

雑「ん〜。学園長先生がプロの忍者の技量を見せてやれっていうから、あそこから飛んだ。」

そう言いながら雑渡さんが指差したのは、そびえ立つ校舎の屋根。


私「え。」

一瞬で青ざめましたよね。はい。

雑「まぁ、私がいるから大丈夫だよ。」

そう言いながら私を下ろし、頭を撫でてくれた。


学「ゥおっほん！！！！・・・そろそろよろしいかな？」

学園長先生の声で我に返り周りを見渡すと。

茫然と私たちを見つめる忍術学園の皆様。

見られた。よりによってこんな姿。
自分の犯した失態に気づき赤面する私。



雑「雑渡昆奈門だ。山田伝蔵先生が不在の間、１年は組の実技担当を務める。よろしく」

高「組頭・・・。何事もなかったようにキリッとなされても・・・。」

私をよそに、何事もなかったように挨拶する雑渡さん。
１年は組であろう集団がざわざわしている。


学「うむ！山田先生の代わりに２週間、タソガレドキ組頭に先生を依頼した！次！」

高「高坂陣内左衛門です。５年ろ組の教科書を担当します。よろしくお願いします。」

次は５年生全員がざわざわしている。


ー続ー

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