雑渡さん、だめっ。

忍術学園こんにちは！　の段　２ ページ39

するとヘムヘムは可愛いおててをぴとっと私の手にくっつけてくれた。
私は思わず、両手でヘムヘムの手を包み込んだ。

私「ありがとうございます！可愛すぎです！」

雑「A・・・ちょっと顔怖いよ・・・。」

ヘムヘムのおててに夢中で、周りの存在を忘れていた。
はっと我にかえると、ちょっと引き気味の顔をした雑渡さん、高坂さん、尊奈門さんが私を見つめていた。

私「あはは・・・つい・・・ね？」

言い訳もできない私とちょっと距離を取る3人であった。


学園長先生は今後の予定について話してくれた。
雑渡さんは１年は組の実技の授業を代講。
尊奈門さんは教育実習生として３年ろ組に。
高坂さんは５年ろ組の教科の授業を代講。

そして私は・・・
１年は組の生徒となった。

尊奈門さんと高坂さんは、雑渡さんが学園長先生にお願いして急遽教育実習生と教科担当教師になった。
なんでも、タソガレ忍軍発展の為にだそうだ。
二人とも似合っているんだよな。

早速、先生用の忍者服と「教育実習生」と書かれた忍者服、そして私は水色の丸やバツが描かれた忍者服をもらった。
布は１年生の忍者とおなじだが、服のデザインはくノ一教室の忍者服にしてくれたようだ。
どうせなら、くノ一教室の忍者服が良かったかな・・・。

それぞれ服を着替え庵に集まる。
雑渡さん、高坂さんは黒の忍者服をカッコよく着こなしている。貫禄も十分だった。
尊奈門さんは、大きめに書かれた「教育実習生」が嫌なようでちょっと元気がなかった。
一方私は。
登場と共に、雑渡さん、高坂さんが吹き出してしまった。

雑「うん・・・似合うよ・・・フフッ」

高「初々しくて・・・可愛らしいです・・・プッ」

そりゃそうだよね。
大の大人が１年生とおなじ柄の服着てたら笑われるよね。
でも、１年生なんだから仕方がない。

いつまでも肩が震えている雑渡さんと高坂さん。

そうこうしていると学園長先生がお戻りになられた。

学「うむ！皆似合っておるぞ！」

学園長先生は目を輝かせながら、手を叩いて喜んでいた。

学「オホン！さて、Aちゃん。これをやろう。」

そう言って学園長先生は一冊の本をくださった。

私「ありがとうございます。・・・『忍たまの友』！教科書ですね！」

学「左様。これで勉学に励みなさい！」

私「ありがとうございます！」

学「いいんじゃよ。ささっ。これから全校集会を行う！新しい先生と、教育実習生と、忍たまを紹介せねばならんからな！」

ー続ー

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