贈り物の意味 の段 ー五条弾目線ー ページ28
今日はAちゃんと組頭が一緒に町へ出かけるらしい。
山本さんや高坂さんは組頭が町へ行かれる事にすごく喜んでいた。
俺だって、尊敬する組頭がご自分の意思で町へ行かれるのはすごく嬉しい。
しかし・・・。
素直に喜べないのは、Aちゃんも一緒に行くからだろう。
今まで女性にこんな思いを抱いたことがない俺は、初めて抱く胸を締め付けるような思いをどうすることもできなかった。
五「忍者の3禁とはよく言った物だよなぁ。」
反「ん?どうしたんだよ。」
五「いや。何でもない。」
本当に、恋心とは厄介なものだ。
朝餉を終えて、庭を歩いていると、城門へ向かうAちゃんと組頭の姿が見えた。
淡い青の小袖に、いつもとは違う髪型。組頭の隣を歩いているAちゃんはすごく可愛い笑顔だった。
あの笑顔の先に俺がいたらどんなによかったか。
いつもAちゃんは笑顔だけど、組頭へ向ける笑顔は、いつものじゃない。
恋に疎い俺でもわかる。いや。好いた人だからわかってしまうのかな。
城門をくぐる2人がとても遠く感じた。
昼八つ半。
尊奈門がやって来た。
尊「弾さん!組頭とAさんがお土産を買って来て下さいました!少し休憩しましょう!」
五「あぁ、ありがとう。」
尊「はい!今日のAさんの小袖を見ましたか?あれ、私たちが町で選んだんですよ!
よくお似合いですよね。」
尊奈門は少し顔を赤らめながら言った。
尊奈門が女性を褒める日が来るとはな。
五「Aちゃんは何着ても似合うだろう。可愛いもんな」
尊「そうですね!・・・ところで、弾さんはAさんのこと・・・」
あー、尊奈門はこの間俺がAちゃん抱きしめて組頭に怒られたの知ってるんだよなぁ。
五「尊奈門はどうなんだ?」
わざと、尊奈門に振る。
尊「えっ?!私ですか?その・・・・!!!」
顔を真っ赤にしながら焦っている。
俺は尊奈門の肩に手を置いた。
五「わかったわかった。」
尊「なっ・・・何がわかったんですか!」
尊奈門をからかっていると、広間に着いた。
そこにAちゃんの姿はなく、珍しく普段着を着た組頭が座っていた。
尊「組頭!お疲れ様でした。町はいかがでしたか?」
雑「うん。久しぶりに出かけて楽しかったよ。」
そう話す組頭の目は穏やかだった。
談笑しているとAちゃんと山本さんが茶を持ってやって来た。
ー続くー
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雑渡花(プロフ) - IZさん» IZさんコメントありがとうございます!亀更新ですが、ぜひこれからも読んでいただけると嬉しいです♪ (2021年8月12日 15時) (レス) id: f89ab8bbea (このIDを非表示/違反報告)
IZ(プロフ) - とても素晴らしい作品で何度も読み返したくなりました!!これからも更新お待ちしております。 (2021年8月12日 10時) (レス) id: 8c8442ffaa (このIDを非表示/違反報告)
雑渡花(プロフ) - 舞美さん» コメントありがとうございます!中々更新できずすみません。尊いとか言って頂けると、すごく励みになります! (2021年5月11日 17時) (レス) id: f89ab8bbea (このIDを非表示/違反報告)
舞美(プロフ) - 何度読み返しても尊いです。ありがとうございます。雑渡さんイケオジ… (2021年5月11日 17時) (レス) id: 762e6989c9 (このIDを非表示/違反報告)
雑渡花(プロフ) - あみんさん» 雑渡さん、これから色んな人にヤキモチ妬くので、どうぞ温かく見守ってくださいね!気長にお待ちください♪ (2021年1月3日 11時) (レス) id: 509f3dfa31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雑渡花 | 作成日時:2020年12月19日 22時