雑渡さん、だめっ。

贈り物の意味　の段　 ページ27

雑渡さんとのお散歩を終え、タソガレドキ忍者城へ帰って来た。

私「みなさん〜！ただいま！お土産買ってきました！」

ちょうどおやつ時だったので、みんなが集まって来た。

尊「組頭！Aさん、お帰りなさい！」

山「お帰りなさい。今日はいかがでしたか？」

雑「うん。息抜きができて楽しかったよ。たまには城下町へ出向くのもいいな。」

山「そうですか。これからも息抜きにお出かけなさるといいですね。」

山本さんは優しい笑みを浮かべていた。

私「あ、お茶入れてきます！」

山「私も一緒に行きます。一人じゃ重いでしょう。」

みんなが揃う前に、お茶を入れて持って行こう。
お茶の準備をしていると、山本さんが話し出した。

山「Aさん。今日はありがとうございます。」

私「いえいえ。すごく楽しかったです！」

山「そうですか。よかったです。良ければこれからも組頭と一緒に出かけていただけますか？」

私「はい！」

山「・・・組頭が外出なさるのは、本当に久しぶりだったんです。
　 火傷を負ってからは全く・・・。しかし、Aさんと一緒だと、外出なさるので嬉しくて。」

親のように語る山本さん。
雑渡さん、愛されてるなぁ。

私「私で良ければいつでも！」

山「ありがとうございます。ところで、その簪、よくお似合いですね。」

私「簪？あっ、これ雑渡さんが挿してくれたんだと思います！」

山「組頭が？・・・そうですか。本当にAさんにお似合いですよ。さぁ、お茶を持って行きましょうか」

山本さん、雑渡さんが簪をくれたと言うと驚いた顔をしていなかった？気のせいかな。

お茶を持って広間へ行くと、もうみんな揃っていた。

五「Aちゃん！ありがとうございます！」

私「弾さん、お疲れ様です。はい、お茶どうぞ。」

五「ありがとう」

みんなにお茶を配り終え、お饅頭を食べ始める。

尊「ところで、Aさん。その簪よくお似合いですね！今日買ったんですか？」

私「実は、雑渡さんがくれたんです！髪も結ってくれたんですが、まだ鏡見ていなくて・・・
　 って、尊奈門さん？どうしました？」

尊奈門さんは食べかけのお饅頭を床に落としていた。
それどころか、その場にいた全員が驚いた表情で私を見ている。

私「え？みなさん、どうしました？」

戸惑う私と驚くみんな。
その様子を見て、笑う山本さん。

尊「く・・・組頭？」

雑「まぁ、そう言う事だ。」

雑渡さんは不敵に笑っていた。

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