雑渡さん、だめっ。

学園長先生からのお返事　の段 ページ15

おっきな大福の夢を見た。

始めは大きな大福を夢中で食べて、幸せな夢だった。
途中から大福がどんどん大きくなって押しつぶされて息苦しくなったところで
目が覚めた。

すると、雑渡さんが私を覗き込んでいた。

私「ざざざ雑渡さん！おはようございます！」

雑「私はざざざ雑渡ではない。雑渡昆奈門だ。」

私「知ってますよう！びっくりしただけです！」

雑渡さんも寝起きなはずなのに。既に忍者装束だった。
あっ、忍者は夜がゴールデンタイムだから？？？

そんなこんな考えていると雑渡さんが懐からピッと手紙を出してきた。

雑「伏木蔵から手紙が届いていたよ。」

私「ええ！早く言ってくださいよー！」

私は急いで雑渡さんから手紙を受け取り、バッと開いた。
しかし・・・・・・。
歴史の教科書でよく見る変体かなで書かれている。

私「雑渡さん、なんか字がむじゅむじゅしてて読めません(泣」

雑渡さんは、目をまぁるくして驚いていたが、すぐにフッと笑って私の頭に手を置いた。
そして手紙を覗き込み内容を教えてくれた。

雑「なになに・・・。学園長先生から、許可する！だそうです。だって。」

さすが学園長先生！得体の知れない私を許可する！の一言で許可しちゃうなんて！

私「やったー！」

嬉しさから踊り出してしまった。
そんな私を雑渡さんはじっと見つめていた。


雑「返事、書かなきゃいけないね。・・・書き方教えるから一緒に書こうか。」

いつまでも踊り終わらない私に雑渡さんから、返事を書こうとのお誘いが！

私「はーい！」

そうして私達は手紙の返事を書くことになった。

雑「じゃあまずは、ひらがなで書いてみるといい。
　 未来でもここのひらがなと同じなのかい？」

私「はい、むじゅむじゅした字じゃなければ私も書けるので書いてみます！」

はいっ。何を隠そうこの私、書道の師範免許は持ってるんだよね〜☆
でも、むじゅむじゅしたやつは、手本見ないとかけませーん。
(お稽古サボり気味だから⭐)

私「伏木蔵くん、お手紙ありがとう。
　 忍術学園に行けるの嬉しいです。
　 いつ行きましょうか。・・・と。これでどうでしょう？」

雑「ほう。Aは崩し字じゃなければ書けるのか。
　 これでいいよ。さて、私の手紙も添えようか。」

そう言って雑渡さんは筆を取り、さらさらと私の手紙の隣に書いていく。
雑渡さんの字はめちゃくちゃ綺麗だった。

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