大切なタカラモノ～R.Y (ページ31)

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78話ページ31

せりなside

暗闇の中、一人で立ち尽くす私。

「A？ひかり？どこ？」

周りを見ても私しか居なくてふと遠くに光が見えた。

そこに行くと5歳くらいの女の子が喪服を着て1人ただぼーっとしていた。

周りの人間はどの口もその子に向かって可哀想に、まだ小さいのに、お父さんは何をしている

そんなことを言っていた、

私、この子…知ってる…

小さい頃の私だ…。そしてこれはお母さんのお葬式…

ふと場面は変わる

学校へ行ってる様子。買い物をしてる所。

熱を出したこと、涼介を好きになる所。

いろんな場面が走馬灯のように流れてゆく。

でも、そんな流れてく時間を見ながら子供の私はどこかを見ていた。

そうだ…最近は楽しすぎて…わすれてた…

助けて。苦しい。寂しい。泣きたい。泣けない。

そんな感情が押し寄せてくる。

「お母さん…っお母さん…っお母さん！」

必死に泣き叫ぶ心の声。

そこへ小さい子が近寄って来て

『お母さん、居なくなっちゃったの？？泣いていいんだよ。せりなの全て。Aは受け止めるから』

そう言って抱きしめるA。

ふわっと心が軽くなった気がする。

『あ！せりな！あのね、ひかりがね、』

『馬鹿だね。せりなは一番馬鹿だよ。』

ひ「…隠す必要も無いところで意地張るんじゃないの！」

ひ「あはは！なにこれー！笑笑」

ふと気づけばいつも横にいるひかりとAの姿。

涙が零れる。私は…感情を出すのが苦手で。でも、この二人は…みんなはいつも受け止めてくれた。

母「…いい人達に出会えたね。せりな」

ふわっと抱きしめられる。懐かしい母の臭い。

母「みんながまってる。ごめんね、小さかった貴方を一人にしてしまって」

Aやひかりが行こうと行って私の腕を引っ張り、光へ連れてってくれた、

光に包まれるとその先にはーーが居た。

ーーに抱きつくと私の意識は現実へと戻された。