おとなりさん ２【宮近海斗】

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向きを変えた勢いのまま
腰のあたりをぐっと引き寄せられて
正面から抱きしめられると

宮近くんも私の真似をして
匂いを嗅いでくる

「おれんちの匂いになってんな笑」

そう笑う宮近くんは
抱きしめてる力を少し緩めて私の髪を触る

『宮近くんとおんなじ匂い？』

「うん 一緒」

それがなんか嬉しくて
にやにやしてると
私のほっぺをむにゅっとつまんだ後
また仰向けにもどる宮近くん

「立石さんはさー」


そう話はじめる宮近くんを

『A！』

私はまた横顔を見ながら
そう言って遮る

「ん？」

話を遮った私に
顔だけこっちに向けて
不思議そうに私を見る

その目を私も見つめ返して

『Aって呼んでくれないの？』

そう聞くと

少し笑いながら

「呼んであげない笑」

そういいながら
天井を見上げる宮近くん

『なんで！』

そう聞くと
宮近くんの横顔は
いたずらっぽく笑ってて

「ん？笑」

『ん？じゃなくて！』

「わかったわかった笑」

わたしの押しに負けた宮近くんを
呼んでくれるかなって期待を込めて
じーっと見つめてると

こっちをちらっと見た宮近くんが
私を見て笑いながら
手でぐいーっと私の顔の向きを変えようとしてくる

「A 寝ろ笑」


私の顔に手をやったまま
不意打ちで名前を呼ばれて

宮近くんの手首を掴んで
手をどかすと

そのまま体の向きを変えちゃって
また私に背中を見せる

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