百九十四話 ページ12
ところ変わって連れてきてくれたのは、お店は閉まっているもののどこかいかがわしさが隠しきれない場所。
神楽ちゃんは胸を踏ん反り返らせて、それはまぁ丁寧に説明してくれるのだ。
いたたまれなくなり志村くんに話しかける。
「志村くん志村くん。」
「…なんですか?」
「これ、俺神楽ちゃんに案内させるの気がひけるんだけど。」
「ここらへんに住む限りこれぐらいのぶっ飛び具合は普通です。慣れてください。」
「…了解。」
今まで視野が狭すぎたのだ。きっと視野を広げるいい機会なのだろう。多分。そう思うことにしよう。
「あら?新ちゃん?」
振り返ると綺麗なお嬢さんが立っていた。
「姉上!」
お姉さんか。びっくり。
「紹介しますね、こちら僕の姉上です。」
「姉の妙といいます。すまいるってキャバクラで働いてるんです。もしよければ、是非お友達と一緒にいらしてくださいね。ドンペリどんどん入れてどんどんお金落としていってくださいね。イケメン大歓迎なので。」
「は、はぁ。」
なんだかすごい。こう、圧が。なんと言うか…オーラを感じる。とても、禍々しい。
「それより新ちゃん。」
向きを変え志村くんに話しかける。
「こんなところでなにしてるの?仕事はどうしたの?仕事は?月末で厳しいのはわかってるわよね?」
「あ、姉上?おちついt…「黙りなさい?」…はい。」
そんな様子をポカンとみてると神楽ちゃんが耳打ちしてくれた。
「月末なのとストーカー被害が酷くなってストレスが溜まってるネ。普段はもう少し猫被れるアル。だけど限界みたいネ。」
目の前で志村くんがボコボコにやられていく。えっ、これ助けた方がいいんじゃないか?
というかストーカー被害に遭ってると言ってたけど、これストーカーできる人いるのか…?
やっぱりさすがに可哀想、そう思い助け舟を出そうとすると、
「あのゴリラどうなってんだよ、この前銀さんに追い払ってもらった筈なのに、倒しても倒しても現れてくるんですけど?しつこいんじゃボケェェェェェ!」
止まってしまった。あいつの顔が頭に浮かんでしまったからである。お姉さんのいう“銀さん”とは別人だろうが。
会えはしないけど、元気かなって考える事くらいはよしにしてもらおう。
「巻き込まれたら面倒アル。今のうちに退却するネ。」
神楽ちゃんに腕を引っ張られる。
未練を残しつつ去った、というか神楽ちゃんの力が、強すぎて去らざるを得なかった。
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大和もなか(プロフ) - REMIさん» 更新の間隔が遅めとなってしまってすみません。そろそろ勉強に本腰を入れないと…、という状況なので今後更に遅くなってしまうと思われます、ごめんなさい。 (2016年11月15日 7時) (レス) id: a4335a8203 (このIDを非表示/違反報告)
大和もなか(プロフ) - 白猫さん» 有難うございます、途中不安になりながら書いている時もあるのでわかりやすいと言って頂けると嬉しいです!これからも頑張っていけたら、と思います! (2016年11月15日 7時) (レス) id: a4335a8203 (このIDを非表示/違反報告)
REMI - 面白い!早く続きがみたい! チラッ (2016年11月13日 23時) (レス) id: 52dbecf78a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 凄く面白くて一気読みしました!顔文字とか///とか使ってないのにわかりやすくてでも、くどくどした説明でもなく分かりりやすくて読みやすかったです!これからどんな展開になるのか予想もつかなくて更新がすごく楽しみです!頑張ってくださいね!! (2016年11月7日 8時) (レス) id: 06f3d584d6 (このIDを非表示/違反報告)
大和もなか(プロフ) - 微々華さん» ありがとうございます!更新スピードがこれから先またゆっくりになってしまうと思われますが、もし良ければお付き合い下さいませ…! (2016年10月4日 6時) (レス) id: 72ac6e219f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大和もなか | 作成日時:2016年8月24日 0時