イレブンと少女の全て ページ4
イレブンSide
A「じゃあ話しましょうか。私とお兄ちゃんの関係、故郷について。
私とお兄ちゃんは、ユグノア王国に産まれました」
カミュ「おいおいマジかよ、ユグノアってあの魔物に滅ぼされたあのユグノアか!?」
…!ユグノア王国…
A「そうです、よく知ってらっしゃいますね。
だから私は王女、お兄ちゃんは王子なんです。そして勇者でもある…私の右手のアザと、お兄ちゃんの左手のアザ…これが勇者の証です」
このアザ…僕だけじゃなかったなんて…
A「私は海でソルティコのジエーゴお父さんに見つけられたそうです。きっとお兄ちゃんが過ごしたそのイシの村の近くには、川か海があったのでしょうね。」
イレブン「イシの村には…川があるんだ。テオおじいちゃんがそこで僕を拾ってくれて…」
A「そう、あのユグノアが滅んだ日、私たちはユグノアの近くの川に落ちたの。そして流されて、私たちは離れ離れになった。生きていたのも、勇者の奇跡なんだと思う。」
あれ、ちょっと待てよ、
イレブン「ユグノアの川に落ちて流れたって、何で分かるの?」
A「私は自分が本当の娘じゃないことをジエーゴお父さんから聞かされお兄ちゃんを探す旅に出た。ソルティコからここまで来るのにユグノアを通ってきたわ。そしてユグノアの命の大樹の根が、私に教えてくれた。
その日、私はまだ生まれたばかりで、お兄ちゃんはデルカダールのマルティナ姫と遊んでいたこと。魔物が襲ってきてお父さんであるアーウィン王が地下からお母さんのエレノア王妃とマルティナ姫と私達を逃がしてくれたこと。お母さんが魔物の囮になって、逃げている途中私達は氾濫した川に落ちて3人とも離れ離れになったこと…
お母さんは私達に言ってたの。生き延びるのよ、私の愛しい子達って…そしてお母さんは、魔物に…っ」
涙ぐむAの話は嘘だと思えなくて、でも信じられないような話に僕は混乱していた。
カミュ「…辛い話をさせたなA。俺の名前はカミュ。お前はイレブンと、一緒に行かなきゃな。」
…全ては僕と彼女のアザの共鳴が真実だと証明している。
イレブン「寂しかったよねA…ごめんね
これからは、僕らが一緒だから、ね、泣かないで…っ」
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作者名:( ˙-˙ ) | 作成日時:2018年1月14日 22時