【第七十七話】 ページ30
「五月蝿い...」
団長はAへの煽りを止めない。
そう、これこそが団長の狙いでありAの弱点なのだ。
「そんなだからお前は武装探偵社にいる三流迷探偵なんぞに惚れるのだ」
「黙れ!あの人のことだけは馬鹿にするな!!!」
Aは頭に血が上り、思わず最後の一本であるナイフを投げてしまったのだ。
だが感情の込められたナイフを放たれるなど、団長にとっては造作もない。
彼は至って冷静な顔付きでナイフをひょいと避けた。
「ククク...投げたな、最後の一本...」
「あっ...」
「その反応もアウトだ、俺だったら一分一秒でも相手を騙そうとナイフを持っているフリをする」
Aは自分の行動の過ちにすぐさま気付き、敦を床にズリ落としてしまう。
「ガッ...」
「あ、敦くん!ごめ...」
「謝っている場合か?」
という言葉と共に「何か」がAの目の前に飛んできた。
ズブッというナイフが柔らかい肉に刺さる様な、耳当たりの悪い音が聞こえた。
「...!あ、あぁぁあぁああぁあ!!!!!!」
Aの右眼に先程のナイフを投げ返されたのだ。
彼の右眼からはドロッとした液体が溢れていた、恐らく中の水晶体が出ているのだろう。
「(い、痛い!熱い!痛い!!でも呻き声しか出せない!苦しい!分かんない!!?)」
「...!判った!今度こそ確かに降参する!!貴方達の捜し物に全面協力する、だからもうやめてくれ!!」
「ほう...」
「だからその異能だけは、その人形を破壊するのだけは...彼を傷つけるのだけは___!」
「成程、興味深い提案だ。
よし、では協力体制を築こう」
その言葉に敦が安堵したのも束の間。
「生き残った奴とな_」
そう言い、団長はQの人形を破壊した。
────〇────
敦は幽閉所の様な所に閉じ込められ、Aは団長に窓から横浜を見せられていた。
「そらA、よく見ろ」
「い、いや.....や...」
「右眼の応急処置ならしてやっただろう、それに左眼ならまだ傷ついていない。さあ見なさい」
「あ.......あ...」
Aは荒れ地に成り果てている横浜を見た。
人が人を無差別に殺.している、老若男女関係なく、まるで米国のゾンビ映画でも見ているかのようだった。
ある者は馬乗りになり殴り続け、ある者はチェーンソーを振り回し狂乱していた。
「.....んで」
「ん?」
「...なんで、だれが...こんな.....」
「誰が、か...。愚問だな、それはお前だよ。A」
「.....」
なんだって?
「.....僕、なのか?」
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星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時