【第六十七話】 ページ20
「真逆...アンタ、探偵社の人間を連れてくるつもりか...!?」
「マフィアに釣られてみたのだよ、人質としてね」
団長は否定の一つしなかった。どうやら本当に探偵社の人間を連れてくるつもりらしい。
抵抗したくも出来ぬ自分を恨むしかなかった。
「それと...私と付いて来てもらいたい所がある。
あるホテルなのだが...」
と言うと団長は支度を始めた。
最初は初めからそこにいるつもりだったが、俺の確保の為に一手間して一旦拠点を此処にしてくれたらしい。
「では行こう、我等の幸福を祈って」
────〇────
此処はある一角の高級ホテル、其処には一人の女性が分厚い書類を持ちその辺りをそわそわしていた。
「(息を吸って喋る...息を吸って喋る...リラックス、大丈夫...)」
人見知りなのか、必死になって自らに暗示を掛ける。
そんな時、何かお困りなのかと思ったウェイターに声を掛けられた。
「……!.......!」
今日こそと思い、ウェイターに何かを訴えるがそれが伝わることはなかった。
「(びっくりした...知らない人に話し掛けられちゃった.....)」
ウェイターが去った後、女性は唾を呑みドアをノックした。すると中から「いい加減早く入りたまえ」と言う声が聞こえた。
「し、失礼しまっす...」と中に入ると
「…」
「オルコットさん...」
団長とAの姿があった。
「あっ...Aさん.....」
彼女がAを見た時は人形の様な遠い目をしていた。その為、彼を見た時オルコットは少々動揺してしまった。
が、オルコットの動揺を無視するように
「所で、また作戦書かね?」
と団長は力強く足で机を叩いた。
「あの...えと.....はい」
「情報分析も速筆も君の美点だが、その大長編はどうにかならんのか?
昨日届いた分がまだこんなに残っているぞ?」
作戦書をパラパラとめくると、数え切れない数のページがまだ余っていた。
あれはAが団長に見せてくれと頼んだが拒否されたものだ。
「え、ええと...す、済みません...で、出直します.....」
だが彼女の作戦書は長いだけで中身は確かだ。
団長は「A」とAの名を呼ぶと、Aは椅子から立ち上がり団長はオルコットから作戦書を奪った。
「移動中に読む次の作戦は?」
「え...?
き、危険です!拠点の客船が落ちた今、フィッツジェラルド様には屋内で大人しくして頂かないと...!」
そう言われると団長は立ち止まり「俺がいる場所がギルドの拠点だ、違うか?」と言い、ホテルを後にした。
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星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時