五 ページ5
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ここに来てから、早いものでもう
深まる秋の中、任されるようになった中庭の落ち葉掃きに精を出す。
すると慧さんが庭に出てきて、散策に付き合うのがこの所の定番だ。
宏太さんは、慧さんの部屋から程近い自室の障子を開け、見守ってるから。
俺はなるたけ、彼の視界からいなくならないよう注意してる。
「ああ、そちらはまだ掃いてませんから…草履が滑ってしまいますよ」
きょとんとする彼に笑って、落ち葉溜まりに足を踏み入れ、滑ってこける真似をしてみせた。
「ね？こうなるから」
いや、手を叩くとこじゃねーし。
もう一回じゃねーし！
目ぇ輝かせて見ないの！
初対面の時はすごい怯えて、宏太さんの後ろから出てこなかったこの子。
暫くどんな顔をしてるのかも判らなかったのに、今やこの懐かれっぷりだよ。
後から聞いた話だと、口が不自由なのとほぼ籠りきりの生活をしてるから、極度の人見知りらしく。
彼の見回りの世話をする大貴さんが、目つきの悪い俺に懐かなくても、当然だから安心しろって慰めてくれたんだけど。
…そこ安心していいとこ？
打ち解けたのは、俺が庭に出入りするようになってからだ。
まず宏太さんが、全く同い年の俺に親近感を持ってくれて。
急かすでない、根掘り葉掘りでない彼の態度に、気が付けばここに世話になるまでのあれこれを話していた。
そんな
宏太さんはこんな
俺が今まで見てきた馬鹿坊ちゃん達とは、ぶっちゃけ雲泥の差だからね。
跡取りがこんな人ばかりだったら、どこの商売も安泰だろうになぁ。
「そうだ、鯉に餌をあげましょうか？」
ぶんっ、と思い切り首を縦に振ると、満面の笑みの慧さん。
可愛いなぁ。弟…って、こんな感じなのかなぁ…。
「はい？何ですか？」
くいくい、と引かれた袖に振り返れば、わさっ！と落ち葉を被せられた。
前言撤回！この悪戯小僧―！
「こらっ、せっかく集めたのに！」
べー、じゃねぇこのくそ坊…、おっとっと。
いかん相手は坊ちゃんだ。
「さ、餌を…ゎぷ！」
落ち葉、第二弾。
「…け〜いさんっ！」
声に出さず彼が笑う。儚げな外見に似合わずやんちゃだから、遠慮なく叱るよう言いつかっていたので。
容赦なんかするもんかこのくそ坊主っ。
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夏夢(プロフ) - mikaさん» mikaさまありがとうございます(*≧∀≦)読み返して頂いてるなんて嬉しすぎます！焦れったい展開で申し訳ないですが、もう少しお付き合いくださいませ♪ (2019年9月1日 20時) (
レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» ひかセンセーは周りのことなら敏いのですwそーよね、仕掛けるの見たかったっす！慧坊っちゃんも動くかなー？ﾋｬﾋｬﾋｬ♪ (2019年9月1日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - このお話が好きすぎて何度も読み返しています…！慧さんと雄也さんの関係もさらに動きそうな予感…！？続きを楽しみにしてます♪ (2019年9月1日 19時) (レス) id: 8f2d116da6 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - いやぁぁんん。光先生ッタラァー。察しが良すぎるー。そして、、なんですと？仕掛けたかったですと？？なぁんてこと！！見たかったぞwwwそして、かわいいヤキモチもいい！さすがコウタさんの選んだ人〜〜。さて？色々バレちゃったシー。味方が増えた！ (2019年8月28日 15時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» 私もびっくりだよゆやさん(笑)一体誰に教わったんだー！そんなテクで落とした坊っちゃん大変にならないといーけど♪うひゃひゃ (2019年8月2日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏夢
| 作成日時：2016年10月17日 11時
