三十六 ページ35
雄也.
ああ、起きなきゃ。
長年の奉公生活で身に付いた、起きる刻限へ向かって体が目を覚ます。
しかし今朝も寒そうだ。慧さんが起きる前に火鉢に炭を入れなきゃ。あれ？宏太さんたちのお世話は誰がするんだっけ？
(何か…ぬくい)
猫でも懐に入れたか？んな馬鹿な。
(…………っ？？)
わぁあああ！
「けっ、けっ、けいさんっ？？」
小声！小声で叫んだ俺の理性！
こっ、この事態は一体！
(いーや落ち着け。落ち着け雄也…)
…むりっ！
坊っちゃんと同衾！しかも俺ががっちり抱えてる！
細いわ温かいわ…猫どころの騒ぎじゃないだろ！誰か説明っ！
もぞ。
「…！」
不味い起きる！
慌てて全部の動きを止めた。
とてつもない時間が過ぎたように感じた、恐らくほんの少し。
ゆったりと弛緩してる身体は、まだ眠気が勝ってくれたようだった。
一体どうなってんだ…。
冷静を取り戻した頭で辺りを見回した。
障子の外はまだ暗く、顔に冷気を感じるから、まだ夜が明けていない。
(多分…多分だけど！)
廁にでも起きて、手近な所に潜り込んできたかな。うん、そうだな。俺としたことが何を慌ててるんだ。
でも俺気が付かなかった？そんだけ疲れてたのかな。
ぁ…まずい、また眠気が…
(って…おい！)
このままでいい筈あるか！俺は起きなきゃなんないんだぞ？！
「仕方ない…ごめんなさい慧さん」
正直言えば離したくない。こんなに無防備に俺の腕の中にいるこの子を、誰が手放せるって言うんだ。
「は…？おかしいわ俺」
そっと、そーっと。
せんべい布団に寝かせたままになるな…ああでも、起こしてしまうよりいい。
起き上がるだけでいつもの倍疲れて、取り残されていた慧さんの掛け布団を上から掛けた。
馬鹿だった…。
動揺のあまり、頬に残る涙の跡に気付いてやれなかったなんて。
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夏夢(プロフ) - mikaさん» mikaさまありがとうございます(*≧∀≦)読み返して頂いてるなんて嬉しすぎます！焦れったい展開で申し訳ないですが、もう少しお付き合いくださいませ♪ (2019年9月1日 20時) (
レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» ひかセンセーは周りのことなら敏いのですwそーよね、仕掛けるの見たかったっす！慧坊っちゃんも動くかなー？ﾋｬﾋｬﾋｬ♪ (2019年9月1日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - このお話が好きすぎて何度も読み返しています…！慧さんと雄也さんの関係もさらに動きそうな予感…！？続きを楽しみにしてます♪ (2019年9月1日 19時) (レス) id: 8f2d116da6 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - いやぁぁんん。光先生ッタラァー。察しが良すぎるー。そして、、なんですと？仕掛けたかったですと？？なぁんてこと！！見たかったぞwwwそして、かわいいヤキモチもいい！さすがコウタさんの選んだ人〜〜。さて？色々バレちゃったシー。味方が増えた！ (2019年8月28日 15時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» 私もびっくりだよゆやさん(笑)一体誰に教わったんだー！そんなテクで落とした坊っちゃん大変にならないといーけど♪うひゃひゃ (2019年8月2日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏夢
| 作成日時：2016年10月17日 11時
