三十八 ページ37
雄也.
いやもう本当に。
何て言うかその。
無邪気って言えば何もかも許されるわけじゃないと、説教したい。
説教…じゃないな、言い聞かせの方か。
誰って、慧さんに決まってる。
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「んははは!そりゃうん、気持ちは判るぜー!」
「本当ですかぁ?」
お二人の祝言から数日が経っていた。
師走の忙しさが本格的になり、町も人もせかせかしている中。
俺はと言えば、初めてまともに迎えられそうな正月に気持ちが逸っていた。
ここ薮屋では使用人にも正月休みをくれるそうで、故郷に帰れる者たちはやはりそわそわと落ち着かない。
「まぁでもさ、誰かが教えてやんなきゃなんないよ」
大さんに相談したのがうっかりだったか…。
里帰り予定の彼は、弟や妹に買っていく土産物の書き付けを、飽きずに広げては満面の笑みだ。
最初は微笑ましくもあり、羨ましくもあって聞いていたけど。こりゃ相談にならないかな。
「やっぱ櫛とかどうかな、あいつ洒落っけ出てきたってさぁ」
「喜びますよ。妹さん」
今度は櫛か。妹可愛いさに、買ってやりたいものがころころ変わってる。
大さんの公休日ってまだ先だっけ?
「わりぃわりぃ、坊っちゃんな」
「いえ」
選べる相手がいるって幸せなことだし。
「いやでも真面目な話さ、教えてもいいんじゃないかと思うね」
「そうですかねぇ…」
「あそこは夫婦の部屋になったんだし、今までと同じじゃねぇだろ」
そういうことなんだよ。
ただ教えるってもなぁ…。
「平和でいいこったな!」
「作造さん」
この人は俺に、何かと突っ掛かってくる。色々面白くないんだろうが、そこそこ面倒臭い。
「簡単な方法があんじゃねぇか」
「作造、雄也は今俺と話してんだよ」
「うるせぇ。なぁ雄也?」
そう言うと腰を落とし、俺の耳元で囁かれた言葉。
「っ、!」
「お、怒ったのか。それが一番いいだろうよ、なぁ?」
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夏夢(プロフ) - mikaさん» mikaさまありがとうございます(*≧∀≦)読み返して頂いてるなんて嬉しすぎます!焦れったい展開で申し訳ないですが、もう少しお付き合いくださいませ♪ (2019年9月1日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» ひかセンセーは周りのことなら敏いのですwそーよね、仕掛けるの見たかったっす!慧坊っちゃんも動くかなー?ヒャヒャヒャ♪ (2019年9月1日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - このお話が好きすぎて何度も読み返しています…!慧さんと雄也さんの関係もさらに動きそうな予感…!?続きを楽しみにしてます♪ (2019年9月1日 19時) (レス) id: 8f2d116da6 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - いやぁぁんん。光先生ッタラァー。察しが良すぎるー。そして、、なんですと?仕掛けたかったですと??なぁんてこと!!見たかったぞwwwそして、かわいいヤキモチもいい!さすがコウタさんの選んだ人〜〜。さて?色々バレちゃったシー。味方が増えた! (2019年8月28日 15時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» 私もびっくりだよゆやさん(笑)一体誰に教わったんだー!そんなテクで落とした坊っちゃん大変にならないといーけど♪うひゃひゃ (2019年8月2日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏夢 | 作成日時:2016年10月17日 11時