Dekigokoro・別館４

不器用なアナタ、器用になりたい僕。(cn&in) ページ29

※ぴんくさんと青さん、そんな関係です。
※シーン的には掠ってもいませんが、CP地雷の方は閲覧注意。






cn.


ころり、と寝返りを打ったら目が覚めてしまった。

仕事でも、こんな時間に起きることは最近滅多にない。日頃は大体よく眠れる方なんだ。


まぁね。

きっかけと元凶もわかってるから。



基本インドアなのに、例の感染症のせいで拍車掛かりまくり。大抵のものは指1本でお買い物状態の僕。

でもたまに、ポチるまでもない買い物もある。

移動の途中、たまたま目に入ったコンビニで停めて貰う。
マネージャーを断り店内に入ったら、その曲は流れてきた。

何時もなら気にも止めない店内BGM。でも、アーティストが僕と同じ名前で、いのちゃんが企画で挑戦していたのも手伝い、何時からか僕まで反応するようになってしまってた。

曲の途中で宣伝に切り替わるまで、買うのも忘れて立ち尽くしてたなんてさ。
どんだけ馬鹿なんだろう。



『嫌いじゃないの』



紛らわしい言い方しなくたって、そこは『好き』で良くない？

僕は本来、曖昧な言い方はきらいなんだ。

けれど、微妙だなと思う時『〜じゃない』って言い方、案外するもんなんだよね。



『おれのこと嫌いじゃないなら…』

そう、大体卑怯なんだよ。最初にそんな言い方されたら、いのちゃんのこと好きな僕に選択肢がなくなるじゃん。とっくに判ってるくせに言うんだから。

更に、『ちねんのことかなり好きだよ』って。

それもどうなの。
そんな言葉で僕をキープしてるつもり？

何時でも半身だけ僕に振り返ってて、本命が手招けばすぐさま背を向けるくせに。
ほんと厄介な、きっかけ(うた)と元凶(いのちゃん)。


ねぇ…かなりずるいんだよ。


わかってる？



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