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kota.
店の裏口から中に入ると、作業をしてたヒカルが振り返る。
「ありがとー」
「ぉう。ここ置くぞ」
薬草店の主であるヒカル。ヒカ、と呼び掛けた。
「冬の匂いがするよ」
「そう、コータが言うなら確かだね」
笑ったヒカルの瞳は綺麗な琥珀色だ。
俺の銀髪とライトグリーンの目が冷たい印象を与えるのに対し、暖かみのある、上等の蜂蜜のような金色の髪をしてる。
触るとふわふわで気持ち良くて、好きなんだよ。
「今日はシチューなんかいいねぇ」
「伝えてくる」
はーい、の返事を背に、奥の扉にむかう。
この家は二階建てで、下は店と作業部屋。奥に居間とキッチン。二階は各々の部屋がある。
奥行きが割とあるから見た目より広い。
木の匂いがして安心するんだよな。
「リョースケ」
「なーにぃ?」
ドアを開けた途端甘い匂いが部屋中に充満していて、思わず口と鼻を押さえた。
「ごめんねコータくん、甘いでしょ」
リョースケが焼いたクッキーを、せっせと袋詰めをしてるユートに、黙って肩を竦めた。
「いいけどよ…今夜シチューにしないかってさ」
「ぁちち…シチュー?いいねー。ユートくんこれでラストだよ」
「はいはい」
この二人…ユートとリョースケ。
ユートは俺より先に此処にいる、言わば先住
てっきりただの犬だと思ってたんだけど、ある時こいつも人型になれる事実が発覚!
それは散歩と称し、二人で森のあちこちを歩き回ってたとある日。
この森はヒカルが支配している(正直言えばその意味はよく判ってない)から基本安全だけれど、地形への干渉は出来ないから歩いて覚えておくといいって、ユートが案内してくれていた。
そんな中、風に乗って漂う匂いを嗅ぎ付けたユートが、彷徨ってる犬を見つけた。
そいつが弱ってたのを見た途端、ドロン!とばかりに化けやがってビビったの何の!!
『先に行くよ!コータくん!』
黒髪に薄い水色の目という、犬の時と同じ特徴を認めるまで呆気に取られてた俺を置いて、その犬抱えて家まで猛ダッシュ!
慣れないトコに置いてけぼりの恨み、忘れてないからな笑
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3→←Those of my silver fur 2 (yb+hk&tkin)
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夏夢(プロフ) - 黄色いうさぎさん» 黄色いうさぎさまはじめまして☺️わぁ、何度も読んで頂いてるんですね☺️ぉ、おおぅ旗部屋リピートも(恥(/▽\)キャッ)💦こちらこそありがとうございます😆励みになります💕 (2022年9月14日 12時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
黄色いうさぎ(プロフ) - こんばんは、始めまして夏夢さん。夏夢さんの作品を定期的に読み直しています。回路…や尾行シリーズも好きです。旗部屋も😁どれも素敵なお話達、やさぐれた私の心を癒やしてもらってます。ありがとうございます (2022年9月13日 22時) (レス) id: ef1652ec47 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - ちぃちゃんさん» ちぃちゃんさま、拙話を寛ぎのお供にだなんて、恐縮でございます😆ありがとうございます(照)💕子狼くん、またお目見えしました時は遊びにきてくださいねー😊💕 (2022年5月3日 16時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - 連休で時間がたっぷりあるのでシリーズ読み返していて、「回路…」の薮伊野にキュンときました。 薮伊野大好きですが子狼くん達のお話も大好きで読み返してはやっぱり作者さんの紡ぐお話大好きだなと改めて思いました。 (2022年5月2日 20時) (レス) id: bdaf2a3994 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - ましろさん» 食べられてしまいましたねー(^-^;そうなんですよ、お話の肝なのにさくっとし過ぎてしまいまして…これは覗き見案件なんでしょーか( ̄▽ ̄;) (2021年2月19日 20時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏夢 | 作成日時:2020年3月20日 23時