Dekigokoro-no-page 8

Those of my silver fur 2 (yb+hk&tkin) ページ17

できごころ６に載せた狼話の続編…のつもり。


純血種の銀狼→黄緑さん
薬草店店主→黄色さん
黄色さんちのわんこ→水色さん
水色さんが拾ってきたわんこ→赤さん
魔法使い→青さん
青さんの守人→紫さん

ざっくりとそんな設定


よろしかったら感想など頂ければ励みになりますm(_ _)m


季節が思い切り逆行してますが気にしないでくださるとひれ伏しますw



………………


kota.

裏庭から、空を見上げた。

「冬の匂い…」

冷たくなってきた風の中に混ざる、シン、とした『匂い』を嗅ぎ取り呟いた。

間もなく冬が来る。

季節一巡りしちゃうじゃん…。


「こぉたー！あったぁー？」

「っと。あったー！今行く！」

そうだ。裏庭に乾燥ハーブを取りに来たのだった。

「やっぱ鼻曲がる…」

誇り高き銀狼のこの身であるけれど、嗅覚が優れているのも問題だ。
カラカラに乾燥し、独特の匂いが強くなるハーブを一纏めにしながら、夏からこっち随分遠くなった空を仰ぐ。




俺の名はコータ。
さっきもチラリと言ったけど、銀狼だ。
人型はまぁ…なんだ、『男の子』かな？

母親をニンゲンに狩られ、途方に暮れてた所を魔女…じゃなくて、魔法使いのケイと、何だろあれ…用心棒ってゆーの？のユーヤに拾われた。

あいつらは旅人(本人談ね)だから、小さかった俺を同行出来ないからとここ、ヒカルの家に預けられたってわけ。

ヒカルは、森の入り口で薬草屋を営んでる。黙ってりゃ綺麗だと思うんだけど、おっちょこちょいっつーか。

ここに来たのは冬になる前。
ケイとユーヤは俺が落ち着くまでいて、二度目の雪が降る前に旅立った。

『すぐに会えるよ』

なーんて言ってたくせに。

ケイの見立てで仕入れていると言う薬草は、ヒカル曰く『キチンと』届く。
でも、肝心の二人は一向に顔を見せないまま。

雪の中を転げ回り、風邪を引いた冷たい冬を越え、森が唄うようにピカピカした春を過ぎ、夕立の雷に心底ビビり、尻尾丸めて先住犬のユートにくっついて大笑いされた(ああ黒歴史(悔))夏も過ぎて、今また冬近い季節を迎えようとしてた。

「俺…大きくなったのにな」

ポツンと呟いてしまった寂しい独り言(ホンネ)は、森が風を起こし浚ってく。


また近くなった冬の気配を、振り切るように深呼吸をして、今度こそ踵を返した。

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