dekigokoro-no-page 9

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kota.


「嘘つけ嘘を！」

「まぁまぁ」

ユート邪魔すんなっ。大体口付けの必要ないって聞いたぞ！

「うるさいねぇ全く。ほら、お前もしときな」

ほいってヒカを差し出されて奪い取った。油断も隙もねぇよあのまじょ！

「ヒカ、行ってくるね」

俺の腕の中で慌ててるヒカを覗き込んだ。
琥珀色の目、うるうる。
あかく濡れたくちびる。
ぅわー…。
どんだけ吸ったんだよまじょめ。

この時ちょっとドキンとしたんだ。
でもヒカが抱きついてきて、掴めなかった。

「気をつけて、ケイ達の言うことよく聞いて、んぐ」

「聞きあきたー」

耳タコよ、それ。
だから口付けで塞いだ。リョースケが全力で「長ぇよ！」って突っ込んでくるまで。






・・・・・・



キリがないから、って引き剥がされて、やっと森を後にして。


振り返り振り返り歩いていたけど、ついに屋根も見えなくなった。

「寂しいかい」

「べーつにっ！」

青い瞳から逃げるようにそっぽを向いた。

「そりゃ何よりだねぇ」

ケラケラ笑うまじょにはきっとバレてんだよな、でも認めるのは癪に障るのっ。

「色々なものを吸収して、大きくなったお前を見せてやるといい」

「…わーかってるよーだ」

すっかり回復してるユーヤ。二人とも、森に帰ってきた時とは全然違う。
今頃ってーか今更ってーか、何か凄く安心すんだなって思った。

これ親代わりってヤツだから？

(まーさかっ、ごめんだねっ)

即行打ち消して走り出したら。

「こら、勝手に先を行くな」

「後ろ向いたら居なくなってるかもよー？」

「いい性格だなまじょっ！」

それでも一応戻ったら、腹抱えて爆笑してやんの！

く、くつぢょくっ…！









世界の一端を見たり。

まじょ達の、ほぼ詐欺に近い外面の厚さを知ったり。

色々巻き込まれたり…とゆーか首突っ込んだり！！





ヒカへの気持ちに、名前が付いたり。






ケイ至上主義(と言うらしい)の、もう一人の魔女に出逢ったり。



他にも沢山のことが待ってるなんて夢にも思ってない俺は、これからの冒険にワクワクして足を進める。



振り向いたら二人の目が、共に柔らかく細まっているワケは……




照れくさいから俺、しーらない。







end.

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