優しい嘘 ページ39
.
side姉
深く突き刺さった刀身の先からポタポタと血が滴り落ちる。彼が私の間合いに入り下から刀を突き刺したおかげで、臓器の破損がかなり酷い。
ごぼっと口から血が吹き出す。
そのうちの数滴が男の頰につたった。
『…なぜ刺したあなたが驚いているの?』
男は目を見開き此方を凝視していた。
まさか、というような目で
声を潜め、男の耳にそっと語りかける
『態々こんな演出をした意味…わかりますよね?』
「!!!」
『貴方が知りたいことは……
. “アルタナ”
でしょう?』
ビクリと刀身が震えた。
わかりやすい態度に、私はさらに笑みを深める
『といっても、実際貴方が知りたいのは
私の亡くなった母__________江華という女の細胞が私に受け継がれているのかどうか…ではありませんか?
暗殺者………いえ、、元老院の犬』
「……」
『どうやって紛れ込んだのか知りませんが、、その顔。元の持ち主から剥ぎ取りましたね?』
「……正解です。流石、同業者だ。」
『…同業者扱いされたくはないのですが、、やり口が似てますから。』
『まあ、初めて貴方の刀が向けられた時に感づきましたよ。貴方が、本当は暗殺者ではなく、元老院の犬で、只の研究者であることが。まあ、訓練は積んでるんでしょう。腕はまあまあですが、演技の才能はありますよ。』
そう告げると男はくすりと笑みを浮かべた。
刀身を握る男の手が緩む。
なんてわかりやすい態度だろう
カチ
『それで、貴方は私の細胞にアルタナがあると?』
「はい。お見受けしました。この事は、後程元老院で議題にさせていただきます。」
カチ
『____________話はそれだけですか。』
「…え?」
『なら、次は私の話を聞いて下さい。
昔、弟にとある絵本を読んであげたんです。
ですが、途中で私は優しい嘘をつきました。
あの子には、聞かせたくなくて。
内容はこうです。
遥か昔、夜兎の神様が真夏に苦労してパイを焼き上げたんです。それを盗み見ていた子ウサギがそのパイを盗んで…
怒った神様は……』
「神様は……?」
『神様は………
カチリ
. “首を狩斬ったんです。”
そう、…こんな風に』
(子ウサギ)男の首を刎ねて。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
589人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
歴史クイズ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2022年8月29日 18時) (レス) @page23 id: ce3cc772d9 (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - 飴さん» いいえ。誤字などわざわざ教えていただき有難いです。ありがとうございます!最近更新できず待たせてしまっている状態でこちらこそ申し訳ないです。亀更新ですが、よろしくお願いします。 (2018年10月20日 23時) (レス) id: bdf6a0b39b (このIDを非表示/違反報告)
飴(プロフ) - とっても面白いです!あの、生意気で本当に申し訳ないのですが、「停まりゆく者」で「ご注文の粗茶です」というセリフがあるのですが、粗茶の意味は粗末な茶、上等でない茶、という意味です。注文するものではありません。生意気に指摘してしまって本当にすいません! (2018年10月16日 17時) (レス) id: 2b842d3a3b (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - 山乙女 桜さん» そう言ってもらえると嬉しいです!ありがとうございます。 (2018年7月24日 23時) (レス) id: bdf6a0b39b (このIDを非表示/違反報告)
山乙女 桜(プロフ) - なにこれ面白い (2018年7月24日 18時) (レス) id: c43285d175 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:金糸雀 | 作成日時:2017年2月25日 18時