病 弱 な お 姉 ち ゃ ん【神威】

バトンタッチ ページ37

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Aside



嗚呼痛い…
こんなに傷を負ったのは、何年振りか。
幼かった頃なんて、
何度も斬られて貫かれて刺されて抉られて焼かれて撃たれて喉を潰されて毒を盛られて…。
痛くて辛くて、、けれど、それに反して私の身体は何事もなかったかのように元どおり。
綺麗さっぱり……元通り。



気持ち悪い？醜い？化け物？



どれも正解。
他者から見たらそうなんでしょうね。
けれど、私も一応女子だからそう言われると傷ついてしまうものなのよ。だから、ね？


そういった人には、それ相応の罰がいると思うの。



だから、、、いいでしょう？茶番はこれぐらいにして、遊んでも。




【ウフフふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ】




嗚呼、“彼女”が呼んでる。血脈から這い出て私を探してる。血を多く流し過ぎてしまった所為ね。




【ウフフ見つけたワァ。ねえ、遊んでもいいでしょう？久しぶりに…ネエ？大丈夫よ。2人ぐらい残しておくから心配しないでちょうだい。でも、3人は私が“使っても”いいでしょう？】




……“彼”は絶対に残しておいてちょうだいね。
嗚呼…けれど、首の骨ぐらいは折っていて。





【えぇ！】





そこで、私の意識はプツリと消えた。
きっと、彼女のことだから私が交代した時には周囲は真っ赤なのだろう…そう思いながら。





_____
__





『ウフふふふ』





愉快そうに笑う女の声を聞いた瞬間
視界が反転した。
ゴキッと嫌な音が首から聞こえる。
(何だ…？)
確認しようと目を動かせば、其処には致命傷だったはずの女の白い手が添えられていた。
(何故…)
そう疑問を持った時、女は笑みを浮かべて言った





『貴方よね。そうよね？…約束通り折ったわよ』





その言葉を聞いた途端、今まで感じる暇がなかった強烈な痛みが首から伝わった。




「ああああああっ!!!」




『さて、これで約束は終わり。次は…』



誰を殺めようかと考えていると
シュッと苦無が目の前に飛ばされてきた。
私はニィと笑み、正面から苦無を受け入れる
左目を貫いた苦無を無視してその女との距離を縮める。女はさっと輪形体制を取ろうと動くけど…




『甘ーい。そんなんじゃあ駄目』




一瞬で組み伏せ、両腕を後ろ手で掴み上げ脚の間に足をかけ女を地面に落とした。
動こうとする女に先程貰った苦無を煩い口に向ける。その途端女の肩が震えたのを私は見逃さなかった。






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