病 弱 な お 姉 ち ゃ ん【神威】

恩返しは地球出発 ページ41

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姉side



呆れてものも言えない、とはこんな時に使うものなのかと耽りながら私は考えを巡らせる


この状況を見てわからない人なんていない。
現に私の刀身は血に濡れている。
この赤い番傘は、神楽とは違い搭載されているのは銃ではなく刀。私の細腕じゃあ銃は無理だとハゲが言ったものだから、仕込み刀となったのだけど。
でも、今ならこちらで良かったと言える。
銃だと照準を合わせにくいから。首を狙いにくいもの。



それに……未だ1匹死に損ないがいる



消さないと。殺さないと。首を狩らないと。



彼らの視線が外れている今なら狩れると思い刀身を振るった。




キンッ




『……何故邪魔をするんですか。“ 坂本さん”』




貴方には関係のないことなのに。




「関係ならあるー。わしは恩人のおまんさんに手を貸す義理がある。」



『なら…』



「けんど、おまんの手をこれ以上汚させるわけにゃあ如何。手は貸すが、殺しに手は貸さん。それが、武士の志ちゅうもんじゃろうて」




…馬鹿そうに見えてちゃんと考えているのですね。
貴方のその目は、私と違って輝いている。善の人間。私や虚と違う。悪と異なる存在…か。





『…いいでしょう。但し、その女を見逃す代わりにこちらの願いも聞いてもらいますよ。』



「ん？えぇぜよ。好きなもん言うきに」



「おい、辰馬…いいのか」



「陸奥ぅ。そんな硬い顔すんなや。大丈夫じゃき。」



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本当は納得なんてしていない。
狩りたかった。狩らないといけなかった。
神威の為にも。
でもあの時殺していたら何かが、欠けてしまう気がした。一体何が？…わからない。


けれど、この機会を逃すわけにはいかない。
私には移動手段はないし、お金もないもの。


それに、、最近手紙が来ないからちょうどいい







『会いに行きましょうか。神楽に』







青い蒼い星と母さんがよく言っていた…“地球”へ

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