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「Aさんと同じクラスのコネシマです。娘さん、お借りしに来ました」
夏祭り当日の夕方六時。
俺はAの自宅まで彼女を迎えに来ていた。
玄関から出てきたAの後ろから顔をのぞかせていた彼女の母親が俺と目が合うなり外に出てきたので、その場ですぐに挨拶をする。
母親は俺の言葉を聞くと困惑した表情でこんにちは、と返した後に彼女の背中をバシバシと叩く。少し痛そうだ。
「ちょっ、ちょっとすんごいイケメンじゃない…！本当にあんたの彼氏なの！？」
「そ、そうだよ」
「いつからお付き合いしてたの！？」
「…つい、この間」
Aの言葉にその人はピタリと口を止めた。それはそうだろう。ついこの間、という事は彼女が余命宣告を受けた後からになる。親としては大きく気がかりになる部分だ。
俺はいつもより深めに頭を下げる。
「事情は聞いています。聞いた上で、お付き合いさせてもらっています。心配かけるようなことはしません。Aさんとの思い出…作らせてください」
「シッマ…」
彼女の親に会ったら元々話そうと思っていた。これだけは避けて通れない。
すると、彼女の母親も俺と同じように頭を下げた。
「…娘のこと、よろしくお願いします。たくさん、楽しい思い出作ってあげてください」
。。。
桜町病院前のバス停までを二人で歩く。
「…Aのオカン、良い人やな」
思わずついて出た言葉の温度に我ながら笑いそうになる。あれが世間の普通の親というものなのだろうか。自分の両親なんてあまり顔も思い浮かばないが、それほど興味が無いという事だと改めて実感する。
「シッマ………？」
心配そうな声色で俺を呼ぶAに、何でもないといつも通りの笑顔で顔を上げて手を取った。
「それより…………浴衣…」
「ああ、これ去年買ったやつなんだ。すごく気に入ってて」
彼女が繋いでいない方の袖を広げた。白ベースに水色の桜柄の浴衣だ。下駄も履いて、髪にも飾りがついていて、いつもと違う姿の彼女に少しだけ胸が高鳴る。
「えっと……ええんちゃう、よう似合っとるわ」
「えへへ、ありがとう。着てきてよかった」
緩く笑った彼女の顔を見て、思わず顔を逸らした。俺はとことんAの笑顔に弱い。
すると俺の様子を見た彼女が繋いでいた手をぎゅっと握る。不意打ちで跳ね上がる心臓を抑えながら彼女を見ると悪戯な笑みを浮かべていたので、返す言葉を探したが結局アホとしか出てこなかった。
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なーや(プロフ) - こちらでもコメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです(泣)まだ夏の話ですけど終わりまで見て下さい笑m(_ _)m (2021年4月10日 22時) (
レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
相馬(プロフ) - 更新されると､まだ終わらないっておっしゃってましたけど、あ…また日付が進んでいく…と思ってしんどくなります笑毎日更新されるのが楽しみです！！ (2021年4月10日 20時) (レス) id: 7501b9a05e (このIDを非表示/違反報告)
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