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彼女と初めてあった日のことはよく覚えてない。
ただのクラスメイト。いつの間にか学校生活の一部になっていて、最初はよく気にしてもなかった。言い方は良くないかもしれないけど、物語で言うと名前の無い人物、景色と同じような人という認識だったのだ。
あることがきっかけで、彼女の顔と名前を覚えて、声をよく聞いて、視線で追うようになった。
去年の夏の事である。夏休みを目前にした俺は、運悪く最後のプールの掃除当番に当たってしまった。当番はペアを二組で四人。俺と大先生、そしてAさんとその友達だった。
水のない屋外プールの底は今日まで使っていたにも関わらず汚かった。風で飛んできた葉や砂埃が排水溝に溜まり、虫の死骸もそこかしこに見える。
予定時間より早めに来ていた俺と大先生は、プールサイドに座って彼女らを待った。プール掃除用のサンダルをパタパタと足先で遊ばせながら、あついあついと項垂れる隣の男を無視する。
「暑くないんシッマァ」
「毎日外で部活やし、慣れたわ」
「はぁあ〜俺にはこの暑さはキツいわ」
大先生の普段は青白い肌も少しだけ日に当てられ赤らんでいた。確かにその日は暑かった。最高気温は37度。暑すぎて蚊も活動しなくなるとテレビで言われるほどだ。
隣でスマホの通知音が鳴った。大先生のスマホからだ。彼はゆるりとした挙動でスマホを開く。
「ん、Aと葵ちゃんもう来るって」
「ふーん」
「A体調大丈夫なんかなぁ。最近休みがちやったけど」
「ふーん」
「Aもまぁ可愛ええ顔しとるけど、葵ちゃんも可愛ええよなぁ。彼氏とかおるんかな」
「クラスメイト引っ掛けんのはやめとけよ、後々ろくな事にならんで」
「そんな引っ掛けるとか言い方悪いわ〜。別に狙ってるわけやないし。てかシッマは彼女欲しくないん？」
「要らんな。面倒やし。男女関係なんてフィクションや」
「シッマのその持論も大概やなぁ。あ、Aとかどうや？可愛ええし頭もええよ。めっちゃええ子やし。幼馴染の俺が保証する！」
「ハッ、大先生の保証付きとか動画サイトの広告くらい信用ならへんわ」
ガシャン、とプール周りの鉄格子が開く音がして、デッキブラシ手に彼女らがやって来た。半袖短パンの体育着を身につけた姿を見て隣の男が眩しいな…とくすんだ瞳を少しだけ輝かせるが、俺は体育着よりもAさんの足元に目がとまる。だが目ざとい隣の男もそれに気がついていち早く声をかけた。
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なーや(プロフ) - こちらでもコメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです(泣)まだ夏の話ですけど終わりまで見て下さい笑m(_ _)m (2021年4月10日 22時) (
レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
相馬(プロフ) - 更新されると､まだ終わらないっておっしゃってましたけど、あ…また日付が進んでいく…と思ってしんどくなります笑毎日更新されるのが楽しみです！！ (2021年4月10日 20時) (レス) id: 7501b9a05e (このIDを非表示/違反報告)
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