春 ページ2
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何となく気だるさの残る左腕を少しだけ庇いながら、バスに揺られる。その気だるさはただの勘違いだろうが。
バスは長く続く桜並木をなぞるように走る。満開で花見客が多い。いつもこの道を使って自転車で学校に向かうのだが、こうも人が多いと走りにくくて世話しない。元々この辺りは公共施設が多いため人通りは多いのだが、今の季節は二割増で人が多かった。
『次はー、桜町病院前ー。桜町病院前ー。お降りの方は足元にご注意下さい』
一か月ほど前、部活中に不注意で左腕に怪我をおった。
その頃はギプスまでとはいかずとも包帯を巻いていたのだが、そこまで大きな怪我でもなく、今日は完治して最後に病院に検診を受けに来たのである。左腕は既に包帯も何も巻かれていない。バスのアナウンスを聞いて席を立った。
整理券とお金を精算機に入れて、バスを降りる。さて、さっさと病院に向かおうかと左を向いた時、あまり遠くない所に人がいた。
「あっ、」
「あ、」
その人の顔を見て声を上げると、その声が二つ重なった。
バスが再発進するまで、何も言えなかった。
目の前のその人も、何も言わずこちらを見ている。
「A…サン」
確認するように名前を呼ぶ。そんな必要は無いのに。
その証拠に、あまり普段経験しないような緊張感で彼女を呼ぶ声は片言になってしまった。
「えっと、コネシマくん」
自分に彼女の声が向けられたことなど、今までにあっただろうか。思い返してみるも、そんな記憶はこれといって見当たらなかった。
同じクラスなのに、彼女はどこか遠い存在だったのだ。
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なーや(プロフ) - こちらでもコメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです(泣)まだ夏の話ですけど終わりまで見て下さい笑m(_ _)m (2021年4月10日 22時) (
レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
相馬(プロフ) - 更新されると､まだ終わらないっておっしゃってましたけど、あ…また日付が進んでいく…と思ってしんどくなります笑毎日更新されるのが楽しみです！！ (2021年4月10日 20時) (レス) id: 7501b9a05e (このIDを非表示/違反報告)
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