本 能１２【銀魂】

第３３６話　美緒SIDE ページ39

・


ー ターミナル ―


息を切らしてターミナルへと辿り着いた


土方さんが電話で言っていた通り、


ターミナルには人が混み合っていた


そしてその人混みとターミナルを囲うようにして、



真選組の隊士たちが大勢いる


近藤さんか土方さんを探そう、と


辺りをキョロキョロしていると、


隊士の一人が


あたしの姿に気づいたようで駆け寄ってきた


隊)美緒さん！お疲れ様です！


と言ったあとに


汗だくで息を切らしたあたしを見て


不安な表情を浮かべて続けた


隊)屯所で何かあったんですか！？


美)・・・違うよ。
近藤さんか土方さんに言いたいことがあって・・・。


隊)俺が聞いて、伝えておきましょうか？


美)いや、自分で言う。


あたしはその隊士に


近藤さんと土方さんのいる場所を聞いた


隊)局長たちは、あちらに・・・


と言われた方向に歩いていくと、


腕を組んで立っている局長と、


その隣でタバコを吸っている副長の姿が見えた


美)近藤さん！土方さん！


2人に駆け寄る


土)どうした？なんかあったか？


美)いや、えっと・・・その・・・相談したいことがあって。


近)相談？


美)はい。真選組の船を、貸していただけないでしょうか？
・・・お願いします！


あたしはそう言って頭を下げた


土)なんでだ？ちゃんと理由を言え、理由を。


美)憐を助けに行くためです。
先程、あたし宛にこのような手紙が届いて・・・。


あたしは手紙を2人に見せた


美)この手紙を書いたのは、あたしの兄です。
あたしの兄は、あたし達を、憐を殺そうとしている。
憐とは今連絡がつかなくて・・・
だから・・・あたしが止めないと・・・っ！


本当に、無意識だった


目から勝手に涙が零れ落ちて止まらなかった


美)土方さんが仰ってた春雨に対するテロは、
おそらくこの手紙に書いてあることだと思われます。あたしが・・・止めてみせます！
だから・・・


近)本当に一人で止められるのか？


美)・・・え？


近)美緒は昔から、なんでも一人で抱え込んで・・・もっと俺たちを頼れ！


土)だいたい、船貸すって言ったって、
美緒は操縦できねぇだろうが。
・・・一番隊を一緒に行かせる。


美)！！


土)一番隊には、船の操縦できる奴がいる。
・・・副長命令だ、いいな？


美)あ、ありがとうございます！！


・


土方さんに呼ばれて、


あたしの周りに一番隊の隊士、


十数人が集められた

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