本 能１２【銀魂】

第３１８話 ページ21

・


A)つまり・・・
あたしと神威は義理の兄妹・・・ってこと？


散)う、うん・・・。


あまりにも突然


あたしの頭の中に撒かれた漂白剤に洗濯され、


あたしの頭の中は


真っ白になってしまった


さっきまで出ていた涙も、


今は止まっている


泣いた後の瞼は


なんだか重くて嫌いだ


憐)・・・俺、そろそろ行くわ。


そんなあたしの耳に、


突然入ってきた声


また遠ざかっていく


あの後ろ姿


A)ま、待って！憐！！


あたしの声に


その後ろ姿は歩くのを止め、


あたしの方を振り向いた


憐)・・・。


A)・・・！


憐)・・・何だよ。


A)・・・えっ！


その瞳は


あまりにも冷たい光を放っていた


A)さっきあんなにヒドイこと言っておいて・・・
逃げようたって、そうはさせないんだから・・・っ！


憐)・・・は？


A)仕返しはデコピン１００回・・・
・・・いや、１０００回・・・やってんよ・・・っ！


憐)・・・っ！


なんでだかわかんないけど、


その姿を見ていたら


不思議と


さっきまで止まっていた涙が


また急に出始めて・・・とまんなくなって・・・。


小さいころからずっと見てきたその姿に


近づけば近づく程


あたしの中で


あの複雑な想いが大きくなって・・・。


"ピンッ"


あたしは


憐のおでこにデコピンをした


１回


２回


３回


何回も・・・。


でも、


『なんだよ、１０００回デコピンすんじゃなかったのか？』


昔みたいに


あたしを嘲笑ったような


そんな声は返ってこないで、


憐は


ただ無言で立って、


あたしのデコピンを受けていた


A)・・・っ！


・・・無理だ。


あたしは憐のおでこから指を離して、


目からあふれた涙を指で拭った


憐)じゃ、行くから。
・・・元気でな。


A)・・・っ！


憐)・・・っ！？


あたしは無意識のうちに


憐の腕をつかんでいた


A)あたしも・・・あたしも連れてって！


とうとう


自分でもわけのわからないことを言いだしてしまった


憐は表情を何一つ変えずに、


ただ


『フッ』と鼻で笑った後、


憐)お前には、俺なんかより大切なもんがたくさんあるだろ。
護るもんが、いっぱいあるだろ。
大切な"兄妹"も・・・な。


そう言い捨てて


行ってしまった

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