本 能１２【銀魂】

第３１２話 ページ15

〜治療室の中〜


A)憐、遅いなぁ・・・。


もうどれくらい経っただろう・・・。


ちょっと電話出てくるだけなはずなのに、


１時間以上・・・。


どんだけ長電話！？


もしかして・・・彼女とか！？


いやいや、


あたしに対するあの感じからして、


それはないなっ！


だったら一体、誰と電話を・・・？


気になって


治療室を出ようとしてその時・・・


神)行かないで。


A)・・・っ！


いつの間に目を覚ましたのか、


神威に腕を掴まれた


神)Aはやっぱり、憐のことが好きなんだね。
憐のこと、殺しちゃおうかな^^


A)な、何言ってんの！？
好きじゃないし！！


神)ふーん・・・。
そのわりには、なにかと憐のこと心配してさ。


A)・・・っ！


神)イライラするんだよね。
Aがさ、憐の隣で笑ってるの見てると・・・。


A)神威・・・。


神)だから、行かないで。
ずっと俺の隣にいて。


A)・・・ごめん。


神)・・・っ！


A)憐のこと心配だからさ・・・。
一人の幼馴染として・・・。
ちょっとだけ様子見てくるっ！！


神威の手から力が抜けたその一瞬に、


あたしは治療室を抜けだした


すると・・・


憐)・・・。


A)・・・憐？


廊下をこっちに向かって歩いてくる憐


無表情で、


何にも言わず・・・


何事もなかったかのように・・・


あたしの横を・・・歩いていく。


A)・・・待って！！


すれ違う瞬間、


あたしは憐の腕を掴んだ


A)れ、憐だよね！？
そんなに長電話、誰としてたの？
もしかして・・・彼女とか？


おちょくって、


そう聞いてみる


すると・・・


憐)あぁ、彼女と電話してた。


A)・・・っ！？


淡々と話すその口調に、


思わず憐の腕を握る手に、


力が入る


A)へ、へぇ！
彼女いたんだっ！！
どんな話してたの？


憐)関係ねぇだろ。


A)そ、そっか・・・。


あきらかにおかしい！！


憐)あのさ・・・


A)・・・っ！


憐)俺、結婚することになったから。
もうお前とは関係ない。
それに、幼馴染だからって・・・なんだよ、その偉そうな態度は。
俺はなぁ、真選組一番隊副隊長だ。
軽々しく近寄るな。


憐はあたしにそう言い捨て、


あたしに背を向け、


薄暗い廊下を歩いていってしまった・・・。


廊下に残されたあたし


プルルルル♪


携帯が鳴り響く


その電話は


美緒さんからだった

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