小さな神威くんの飼育係

第143話 『追い剥ぎ』 ページ14

久しぶりに腕に通した高校の制服こちらの世界では１ヶ月間
私が不登校になっているようだ





そんな制服姿を見た神威はぶすくれたように
私のスカートの裾を引っ張ってきた





「別に律儀に行かなくてもいいだろ？」




『この世界に居れるまでは行っておきたいの。
もう来れないかもしれないんだしさ〜』





神威はお留守番ね、なんて伝えれば
やだね、なんて言葉が返ってくる





「またあの男が来たらどうするつもり？」




『あの男ってヤンキー神威くんの事？』





そうは言っても私があの高校へ通っていることなど
分かるはずがない





大丈夫だよなんて伝えれば、神威は学校まで送っていくと
立ち上がった






ー
ーー







「Aーーーーっ！！！！
あんたまーた１ヶ月も学校サボってたでしょー！！！？」






『久しぶりごめんごめん忙しくてさ』






なんて久しぶりに会った友人に笑いかける






『1限目何？』





「数学」





『帰るわ』






「待たんかい」






無理やり席に座らせられ
泣く泣く授業を受けることになった私だった








ー
ーー
ーーー







「えーーであるからしてーここの式は」







つっまんねええええ






久しぶりに登校したとはいえ、爆速で帰宅したい私である
今頃神威は何してるのかな、
なんて窓に顔を向けたその時だった






『ばっ！？』






私の奇妙な声に振り返る一同
それもそのはず、私が窓の外から見た光景は
思いもよらないもの、






なんっでお前がここにいんのよ神威？！






窓の高さまで伸びた高い木の枝に座り呑気に私に
手を振るバ神威が居た






「？ A〜うるさいぞ〜静かにしろ〜」





『へ？！いや、あのしゅみません！』






バレたらどうしようなんて緊張で思い切り
噛んでしまい皆から笑われる私







そして先生便所！！
の一言で私は校庭に飛び出して行った







ー
ーー
ーーー







『ちょっと神威！バレたらまずいって！！！』





「いいだろ別に」





いやいや笑ってんじゃねえよ





バレたら不法侵入者で捕まるって。





でも、ひとつ疑問なことがある






『ねえ神威…？あんたその制服何処で手に入れた』





彼が来ているのはいつものチャイナ服ではなく
私たちの学校の制服、





学ランをはだけさせ中に赤のパーカー
一見本当の高校生のようだった





「そこのチンピラから」





追い剥ぎすんな

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