小さな神威くんの飼育係

第128話 『本音』 ページ47

かくなる上は、



『あーー！！！あんな所で、
土方が死にかけてるー！！』


｢マジでか｣



私が指を指す方向に総悟が顔を向けた瞬間
神威の腕を引き全力疾走


勿論全力で嘘だが、あの土方を常日頃殺したい
総悟にとってはとてつもない吉報だろう



｢てめ、このアマ…！！｣


『すまん！！名も知らぬそこの人！！』



こうして、総悟を撒くことに成功した私と神威
は部屋へ戻った



｢…あの女、何で俺が土方の事…｣



そう呟いた総悟の声は私の耳には届かない




ー
ーー
ーーー




神威と2人部屋へ戻ってそうそう私の声が
室内に響く。



ちょっと待ってお前何してんの？



目に入ったのは1人分の敷布団を閉まってる神威の姿
だった



「女将さんが、1人分多く出しちゃったみたいだから
閉まってるだけさ」


『いんや合ってるってェえ！！
私とお前の分の2人分だろうが！！
え、何私畳で寝ろっての？！ 』



なんて言えば神威はニヤリと笑った



「わかってる癖に。
俺とお前一緒に寝るんだから2つも必要
無いだろ？」


『…は？』



早く来なよなんてグイグイ引っ張られ
布団まで強引に引っ張られる私



のそのそ布団に入りこみ隣に寝転がれば
電気消すよなんて声が聞こえ次第に部屋は暗くなる



ぶっちゃけ寝むれるわけが無い



なんて思っていれば、神威が静かに言った



「A、なぜ俺が戦いが好きか分かる？」


と急に言われる、
それにいいや、と首を横にすれば神威は静かに
語り出した



「俺の心が満たされるのは戦場だからだ
酒や女ではない
己と同等、それ以上の者と戦ってこそ
俺の魂は潤う。勿論、愛なんてそんなしみった
れたもの俺には必要ない」



と言われ、先程までのドキドキが嘘のように
引いてしまう



神威が無類の戦闘好きなのは分かっている
だけど、愛なんて必要ないなんて好きな人に言われてショックを受けない女はいないだろう



『そう、なんだ』



なんてから笑い。
すると神威はまァ聞きなよと再び続けた




「そう思ってたんだ。お前と出会うまでは。」



優しく頬に手を置かれ撫でられるその
優しい手つきに私は彼から目が離せなくなる



そして、神威は私の上に覆い被さり言った



「 A、俺、本気だから。お前に」


と言われ
顔が熱くなるのが分かる



そ、それってつまり



「Aがどれほどの馬鹿でも分かるだろ
俺は、お前の事が__」



と言いかけたその時だった

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