小さな神威くんの飼育係

第112話 『敵視』 ページ31

｢…Aだァ？｣


と、眉を顰める晋助


まさか、神威のせいでネタバレとか
オチが薄い！！！



『あ、ちょ、神威さん何を言ってるんですかあ』



と薄ら笑いをしてみる



すると神威ははァ？と怪訝な表情で私を見た



｢何ふざけてんのお前？
俺がどれだけ探したと思ってるんだよ
やっと見つけたと思ったら晋助と話してるし
ほんっと、俺をイラつかせるの得意だよね｣



と頬を引っ張られる




｢おい、神威、いくらAが忘れられねェとは
いえ、この女をあいつの名前で呼ぶなんざ
不愉快極まりねェ｣




とギロりと神威を睨む晋助
こいつ、未だに気づいていないっぽいな。
と心の中でふと思う




するとそんな晋助を見た神威は
何を思ったのかニヤリと笑いこう言い始めた




｢…あァそうだね、"葉月"はあいつじゃなかった
まあ、なにはともあれ俺は葉月に用があるから
そろそろ 行くよ。｣




そう言ってあたしの肩を抱き強制的に
どこかへ連れていかれる私




そして去り際、｢こいつが世話になったね｣




とニヤリと口元を歪めた神威だった。





｢……、まさかな、｣






ー
ーー





『ちょっと神威、あんたまであたしらの
驚かそう大作戦参加してんの？』



と言えばなんの事だよ？と頭を傾げる神威



『じゃあなんで、急にあたしの事葉月扱い
したんだし』



と聞けば、




｢お前がAだと気づいたら面倒だろ
だって、俺だけのAだろ？｣




とにこりと笑う神威に赤面したのは言うまでもない





『なにさ、あたしの気持ちなんか知らないで』




とボソリと呟いた私に人知れず




｢俺の気持ちも知らないくせに｣



と呟いていた神威など知りもしなかった

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