小さな神威くんの飼育係

第96話 『泡沫』 ページ14

万事屋からの帰り道、もう辺りは暗くなり
月の光だけが夜道を照らしてる



『好き、かぁ〜...』



なんて言葉に出せば白い煙と共に
静かに夜空に消えてく




自覚したこの感情を、後悔しないうちに
あいつに伝えたい、そう思うが今の私達では
到底無理だろう。





はぁー、っと溜息をつき視線を地面にうつした
その時、





「A！！！」





と聞き覚えのある声が聞こえた





『あ、阿伏兎ー？！』





なんであんたここに...？と驚いていれば
阿伏兎は肩でゼェゼェ息をしながらあたしの方へ向き直った




「頼む！！逃げてくれ！！それかどこかへ
隠れてろ！！」





と両肩を捕まれ物凄い形相で言われる
一体なんなんだろうかこのオッサンは





『ちょっと痛いよ！なにそんなに
鬼瓦みたいな顔してんの
いきなりすぎてついていけない！』




と訴えれば阿伏兎は あァくそ！！と頭をガシガシかいた後いきなり お前ら出てこい！！ と誰かを
呼んだ




『！』




「お嬢！お久しぶりです！
理由はともかく今は俺たちとついてきてくれ！」




と第7師団の部下達が屋根から飛び降り
あたしを囲む





『だぁから、何でだっての！
理由をいえ！！理由を！！！』





と言えば阿伏兎が





「〜ッ、団長がある事故をきっかけに
あんたとの思い出を忘れちまってる！
あるのは憎しみのある思い出だけ、
ちょうど仕事で地球にきていてな、
団長はあんたを殺しにく__ 」





と阿伏兎が言いかけた時だった






「そこにいたのかA
やっと見つけた」

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