小さな神威くんの飼育係

第61話 『見知らぬ隊服のお兄さん』 ページ27

『ふぁぁあ！！！！久々の歌舞伎町！
やっぱ安心するわああ！！！』




と道路のど真ん中でぐーーーっと伸びをする、
すると街ゆく人達は不思議そうな目であたしを見ていたので、慌ててかさをかぶり直した





『よし、ひとまずみんなに会わないように
こっそり歌舞伎町巡りしよう。。』





と、ひとり意気込み
街をあるった





ー
ーー





「いらっしゃい！注文は決まってるかい？」





と団子屋の店主に言われ、無言で
草団子を指で示す。すると店主はまいど！
と言い、すぐさま団子を持ってきてくれた






『この団子、よく総悟と並んで食べたなあ…』





なんてポツリと独り言をいう。
するとドカリと隣に黒い制服の兄ちゃんが座った






『(…なっ！この人真選組？！やばい！！)』






と心の中で焦りながらもあたしは俯きながら
団子をもしゃもしゃ食べる。





チラリと横目でその人の顔を見るが
見た事の無い男の人だった






『(…会った時ないな…、新人の人かな？)』






と1人で思っていると
お兄さんは店主を呼ぼうと手を上げるが
おじさんはお兄さんに全く気づかない






「…汗」





『(…仕方ないなあ)』







見たこともない人だし大丈夫だろうと
あたしが代わりに店主を呼び、
駆けつけてくれたオジサン






「団子追加かい？」







とあたしに向かって言われるが
首を横に振り、あたしじゃなくて
隣のお兄さんだよ、と伝えれば彼は
あたしにペコリと頭を下げた






この人喋れないのかな。






そう思いながら、この見知らぬ人と
並んで団子を食べた。







『おじさんありがとうね美味しかった』






とお礼を言い、席を立った瞬間グイッと
引かれるあたしの袖、それに目を向ければ
先程のお兄さんがあたしを引き止めていた






『えっと、…どうしました？』





と聞けばお兄さんは身振り手振りであたしに何かを
伝えてくる






『いや全くわからんわ！！』






とツッコミを入れるがお兄さんはワタワタする
ばかり。何が言いたいんだ？と困惑していれば
お兄さんは喫茶店の方に指をさしていた







『えっナンパ？』







と聞けばお兄さんはフルフルと顔を横に振る






『えっと、お茶しませんか？って？』






と言っても彼はうーーんと手を組み考える






『…紙に書いて貰えません？』






と言えばなるほど！といったように掌にポンッと
手をやり自前のノートとペンを出し文字を書き始めた

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