小さな神威くんの飼育係

第57話 『神威と彼女』 ページ23

『ねえ、神威って何でそんなに
強い奴が好きなの？』





と彼に聞けばあいつは はァ？ と言う顔であたしを
見た。





「男が強さを求めるのは不思議な事じゃ
ないだろ。俺は強くなりたいんだ。誰よりも」





と静かに大きな瞳を伏せた
あの神威が珍しい、
そんな表情を見せるなんて。と少し心配になる






『…確かにそうだけど、あんたは
人一倍その思いが強い気がするんだよ
なんかあんの？』






と首を傾げればあいつは目を見開いて
ﾊﾊｯと空笑いした






「お前みたいな馬鹿でも、
勘づくなんてね。まぁ、時が来れば分かるさ
その時、俺はお前に_____ 」






と声をつまらせ、少し考えた後、
あいつは切なそうに笑いながら
何でもない、と私の元を離れた






『神威…』






あいつに何かあるのは間違いない。
いったいあいつはどんな過去を持ってるんだろう。






そう思いながら、あたしは神威のあとを追った。







ー
ーー







〜その後の会話〜









"神威ー、飯作ったげる！"





"…何の前触れ？いつも面倒くさいって
作らないくせに"






"いいから食えや！！！"







"……っ！！辛っ！！お前…！"






"特製タバスコ入りチャーハンだぜええ！！"







"へぇ…？…覚悟は出来てるんだろうな"






"あっ、ちょ、…ぎゃぁぁぁあ！！！！！"

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