小さな神威くんの飼育係

第46話 『お金じゃ買えないもの』 ページ12

綺麗な着物、結い上げられた髪の毛、
紅の唇に、塗られた白の肌
静かに瞳を開ければ鉄格子に囲まれていて
出ることすら叶わない鉄の鳥籠。





その前に集るわ男達。
呟かれる下品な声に鳥肌が立つ






「見ろ。見ない女だ
美しいな」





「ほォ…700だそう！
俺が買う！！！！」





「何言ってる！ならば俺は1000！」







2000！3000！とどんどん上がっていく金額、
その度にギャイギャイ騒ぎ出す男達。





「4000万でどうだ！！」






「ふざけた事を！俺は5000万ぐらいだせる！！」






『(あーめんどくせェーーーー…)』







私は新鮮な魚かなんかよ！！！！！






とイライラしながら男達をぼーっと眺める
するといかにもリッチそうなオッサンが
私を見つめこう言ってきた






「2億だそう」






その声にみんな静まり返る
2億？！私そんな金出される価値ねェけど？！
と口をだらしなくポカンと開ける





「フンッどうした？他におらんのか？」





と男がニヤニヤと笑いながら男達を
見渡す。





なんて嫌な奴。






『(あー、このままどうなっちゃうんだろう)』







とため息をついた瞬間







「5億」







と聞きなれた声が聞こえた







「なっ、5億だと？！」






その声は勿論神威だった








『か、神威ぃいいい！！！』







たまらず叫んでしまうが
あいつは真剣な顔で私を見つめた後2億出すと言った男をジロリと睨んだ






「どうした？俺は5億出すよ
もうギブアップかよ」






と神威が睨めば男は頭に血が上ったように
神威にキレ始めた






「貴様のような若造が5億だと？！
そんな金どこにある！！嘘だ！！
そんなもの……！ならば私は…！






と続ける男をよそに神威はこう続けた







「金なんかいくらでもあるんだよ
たとえお前がいくら金を出そうと
俺に張り合ってきても、俺は絶対に負けない
なんなら ピーーー ぐらいも出せる。」






いや流石にやばい金額すぎて
ピーー入ったァァァ





やっぱり裏の人間って馬鹿みたいに
お金持ってんの？！
とぼんやり考えてしまう、





「っぐ…！！クソッ！！！」






と諦めた男に神威は近くの見張りに声をかけ
私は5億という超大金で神威に買われた






「すげえあの兄ちゃん、
5億だってよ」





とガヤガヤ呟かれる声に神威は






「お前らあの女に手を出そうなんざ1000万年
早いよ」






と私は回収された

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