小さな神威くんの飼育係

新章 第18話 『あの人』 ページ33

ただっぴろい所に出た私たち。
色んな天人達が行き来していて、
あたし達の横を通る度にじっと
気に入らない目で見てくる





『...』






「あ！晋助様ァァァ！探したっス！
異世界の女見つけたんで連れてきたっすよ！」





とキラキラと笑みを浮かべる金髪お姉さん
そしてあたしは彼らの総督と言われる人と
ご対面した。が、





『か、かむい...！.......さん...』





総督と呼ばれる男のすぐ近くに物凄い
顔であたしを睨見つける神威がいた





やっべええええええ！！！！！






瞬時に金髪お姉さんの背後に隠れ
あいつを伺う、悪いけど総督の事なんかより
こっちのが一大事だ。






「ふーん...部屋にいろって言ったはずなんだけど
なんでお前が外に、しかも鬼兵隊の奴らと
一緒にいるわけ？隠れてないで俺の顔見ろよ」





とひょいっと子猫を持つように首元を掴まれ
そのまま上に持ち上げられ目線を合わせられる。
ごめん、怖すぎて直視出来ねえ






『いや、あの、ほんとすみませんでした』





と視線をしたにずらし謝る
だがあの神威さんは相当ご立腹のようで
あたしの両頬をがっちりと掴み顔をあげさせられた





「謝罪は部屋に帰ってから
たっぷり聞いてあげるよ」






とギリギリとあたしの頬を押しつぶしてくる。めちゃくちゃ痛いしめちゃくちゃ怖いしか
もう出てこない、誰か助けに入れよ！！
と心の中で叫んでいたその時
カムイの腕を誰かが掴んだ






「子猫の扱い方が分かってねェみたいだな神威
俺が教えてやろうか？」






と止めに入ってくれたのは、
鬼兵隊の総督と言われていたあの人、






『...！』





この人.....






「...シンスケ俺の飼ってる猫だ
口出し無用だよ」





と機嫌が悪い神威をよそに
私は静かに口を開いた







『恭弥...さん？』






「...誰だ？」








とシンスケと呼ばれてる男の人は私を
不思議そうな目で見つめてくる




いや、見間違いでも人違いでもないはず、
この人は、あたしが学生の時にチンピラ30人から
逃がしてくれた恭弥さん、間違いない






『...恭弥さんですよね？あたしをヤクザ
達から逃がしてくれた！！！』






と答える私に
神威は思い出したようであたしをそっと下に
下ろした







「A、お前のいう恭弥さんじゃないよ
高杉晋助それが名前だよ」






と神威が答える






「...悪いなお前の言う恭弥じゃねェ」

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