小さな神威くんの飼育係

新章 第14話 『ドSな君』 ページ29

『で。何か作ってあげる前に
ここはどこなわけ』




とカムイを見る
するとあいつは淡々とこう答えた




「宇宙だけど」




『はぁぁあ？！』





こいつなに言ってんだ
頭でもぶっ飛んでんのか






と心配になったが
かむいがちょいちょいと指差す方向に視線を向ければ、そこは真っ暗闇







「な、言っただろ」





と陽気に笑うかむいに開いた口が塞がらなかった





『あんた、さっきの部下達といい、
ほんと何者なの…』






と聞けばあいつはこう口を開く





「俺は宇宙海賊春雨、第七師団団長だよ
今や周りからは春雨の雷槍とも呼ばれてるかな」






とニコニコと喋るもんだから
人形の時言ってたアレは本当だったのか、
と頭が痛くなった私だった






ー
ーー





ザワザワ






『あの、かむい、私ここにいるの
物凄い場違いじゃない…？』





と大きな食堂の椅子に座り
縮こまる私
周りの目が痛い
とゆうかあんな強面の奴らの中に
私とかむいってだいぶ浮いてない？！






とちらりと横目でかむいをみる
するとあいつはそんな私の考えなんか
知るはずもなく、どーした？と顔を覗き込んで来た





『ぎゃぁぁぁあ！！！！
近い近い近い！！！！
元のサイズに戻ったからって
調子のんな！！！』






とものすごい勢いで距離を取れば
あいつはニヤリと不敵な笑みを浮かべ
私にずんずん近づいて来た






「へぇ…、俺が人形だった時は
そんな反応一切見せなかったくせに
俺が普通の男の姿だとダメなんだ？」






とどんどん近づかれ壁際に追いやられる
ヤバイ。超ヤバイよ
なんかこいつドSになってない？
小さい時はもっと可愛げがあったはず！！





そう思い、狼狽えていたその時
背後から声が聞こえた






「団長、可愛がるのもいいが
あんまいじめてやるなっての」





「阿伏兎帰ってきたのかよ」






なーんだとつまらなそうにする神威。
いやその前にこの阿伏兎という男が帰ってきた
という事は真選組は...？






嫌な事が頭によぎった瞬間
あたしは阿伏兎という男の胸ぐらを思い切り掴んでいた






『お前ッ、総悟は?!土方は?!
皆をどうしたんだよ！！！！』






ものすごい剣幕であいつを睨み
早く話せと男を急かす。
最悪な事態になってないことを祈って。







「殺しちゃァいねーよ
団長命令だからな」







と軽くあたしの頭を撫でた

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