#04-1 ページ17
1度目のカムバックを経てすぐにアジアツアーが始まった。
色んな国を行き来しているうちに、季節はもう時期、夏を迎えようとしている。
忙しいツアーの合間の束の間の休息日。
久しぶりにチョ先生にレッスンを受けることにしたユナのもとにミナがやってきて、二人でレッスンを受けることになった。
基礎トレーニングは欠かさずやっていたけれど、どこでもバーを持って歩くわけにはいかなくて。
久しぶりの本格的なバーレッスンにユナは上機嫌だった。
お気に入りの深緑のレオタードに身を包んで、45分間の基礎トレニーニングを終えたころにはユナは汗だくになっていた。
先生からの休憩の合図に、二人で床に腰を下ろす。
MN「バーレッスン久しぶりすぎてもう体が痛い。私明日絶対筋肉痛だ…」
「でもオンニ、すごく姿勢が綺麗でしたよ。流石ですね」
MN「いやいや…背筋が攣りそうで必死だったよ。今度から私もユナのバーレッスンに参加しようかな」
「ほんとですか？」
MN「やっぱ辞めとく。ダンスレッスンの時に筋肉痛で動けなくなりそう」
「えぇー…」
「もう足が痛くなってきた」というミナの足をマッサージしていたユナは、せっかくだからONCEに見せる写真を撮ろうと、携帯を取りに立ち上がって。
ふと、何か違和感を感じた。
スタジオ内を見渡して。
壁際に沿って、ゆっくりと歩いて。
足を止めた。
ちょうどいつもユナがバーレッスンの際に立つ場所。
鏡がよく見える、ユナの定位置。
その背後の壁に、小さな、小さな光る物が見えた。
それを認識した瞬間、ユナは振り向かず、ミナに告げる。
「オンニ、すぐに上着を着てください。それから、マネヒョンを呼んでいただけませんか。それに、できれば男性のスタッフを何人か」
MM「え？」
「事情は後で説明します」
MM「、わかった」
背後で、ミナがスタジオをでていく気配がする。
ユナは慎重に、壁の有孔ボードに指を伸ばした。
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作者名：kamome | 作成日時：2023年1月16日 17時
