検索窓
今日:7 hit、昨日:4 hit、合計:110,525 hit

他人事なのに ページ20









ふぅ、と深呼吸して扉に手をかける。




「よし」




そっと仕事場をすりぬけるように歩きながら、ゆっくり目を動かして団員等を見ていく。




「あれ?」




ちゃんと端から端まで見たのに、あの時の団員等の姿はなかった。




「阿伏ちゃん」


阿伏兎「Aか。もう大丈夫なのか?あと阿伏兎って呼んでくれ」


「あの時の団員達は?」




居ないけど…と言いながらもう一度周りを見渡してみた。




阿伏兎「…あぁ、あいつ等は切られた」


「切られた?」


阿伏兎「クビってことだな。団長が決めたんだ また礼言っとけよ」


「え、?!話したの」


阿伏兎「俺は団長の質問に答えただけだ。あとは団長が勝手にやったから知らねェな」


「もう。嘘ついたのバレちゃったじゃない」




階段から落ちたって伝えてるのに…




阿伏兎「知らねェよ、なんで嘘つくんだよ」


「なんとなく?…言いたくなかった、みたいな」




あの場では言っちゃダメな気がして。




阿伏兎「…なんだそりゃァ」




もうこれ以上は仕事が進まないからか、阿伏ちゃんは目線を仕事へ戻した。私も自分の席につく。




「でも団長、他人事に興味無さそうなのになんで…」




また考え事が増えて手が進まない。




「はぁ…」




今日何度目かのため息をついた時、このタイミングで団長が仕事場へ入ってきた。

どうしよう…どんな顔してれば…

こっちに向かって歩いてくる。目が泳ぎながらも視線は団長の方へ向かっていく。




神威「今日はサボりじゃないんだ」




目がバッチリ合ったのでそらす訳にも行かず、向こうから話しかけてきた。




「ぁ、は、はい…」




サボった事なんかない!と言いたいところだったけど、気分的に休んだ部分もあって否定出来なかった。




「あ、それより団長」


神威「ん?」


「なんで私の為に、あの人達をクビにしてくれたんですか?」




そう聞くと団長は阿伏ちゃんの方へ視線を移し、阿伏ちゃんを睨んだ。…気がした。




神威「別に、Aの為じゃないよ。 ああいうやり方が気に入らなかったから。嫌いなんだよ」




代わりの言葉を探すように話す団長を見て、思わず笑ってしまった。




「ふふ、ありがとうございます」







他人事だけど【神威side】→←憂鬱な朝


ラッキーカラー

あずきいろ


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
143人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 神威 ,   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

さな(プロフ) - Kさん» 返信遅くなりごめんなさい(><)すごく励みになりますありがとうございます! (2018年2月7日 3時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
K - とてもおもしろかったです。続き頑張ってください! (2018年1月6日 10時) (レス) id: ca61ce99c5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さな x他1人 | 作成日時:2017年12月20日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。