理想像 ページ44
簡単に物を言う。我儘なんて言っても誰からも好かれない。
A「女性は謙虚で礼儀正しく芯の強い人が皆から好かれると教えられたわ。」
櫻井「いいんじゃない？ほら、今色んなところで言われてるじゃん多様性とか個性とか。会長はなぞってるだけだよ。個性を出さなきゃ。今まで頑張ってきたんだから。いいんだよ。もう。楽になろうよ。喋り方もみんなが使っているような普通でいいんだよ。憧れとか夢とかも自分の好きな物でいいんだよ。会長が楽しそうにしてくれていたら俺は嬉しい。」
A「うん……。」
櫻井「ほら、じゃあ会長。何したい？」
A「分からない。」
櫻井「……そっか。ゆっくり考えていこうね。」
そんな会話をしていた時にバタバタと使用人たちが入ってきた。
執事「長袖来てるから熱中症になってしまうんですよ……。お着替えをなさってきてください。我々は保冷剤など冷やすものを持っていきます。……櫻井様気がついて下さりありがとうございます。感謝致します。」
櫻井「いえ……。」
メイド「立てますか……？いつものに着替えましょう？」
そう言って衣装部屋に連れていかれた。
結局翔が嫌だと言っていたものになってしまった。
嫌われちゃう。頭の中はそれでいっぱいだった。
メイド「お部屋……どうしましょう。お客様が寝てらっしゃいますもんね。客室を使いましょうか。まだ5時なので少しお休みになってください。」
A「翔に……運んでくださった櫻井さんにお礼を何か渡しといて。」
メイド「かしこまりました。」
A「朝早くからごめんなさい。」
メイド「いえ、また様子を見に来ます。」
A「ありがとう。」
メイド「失礼致します。」
そう言って出ていってしまった。
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作者名：るーちゃぴ | 作成日時：2021年11月16日 15時
