疑問 ページ43
向かっている間疑問しかなかった。
どうしてここまでしてくれるのか。
ほっとけばよかったのに。
優しいから見捨てられなかったのか。
私はそんな優しさに惹かれてしまったのか。
移動している間も大丈夫？などずっと声をかけてくれていた。
櫻井「会長着いたよ。1回下ろすね。」
連れてこられたのは食堂だった。隣の部屋がキッチンだからきっと座る場所を見つけてくれたのだろう。
櫻井「お水取ってくるね。机に伏せててもいいから」
どうしてもお礼が言いたい。ここまでしてくれてる彼に。
時計を見ると朝の５時だった。
櫻井「会長、持ってきたよ。大丈夫？」
A「えぇ、もう大丈夫。ありがとう。」
櫻井「やっぱり暑かった？……ごめんね。」
A「いいえ、楽しくなっちゃって暑くなっちゃったのよ。気に病むことはないわ。もうほら元気だし気にしないで。」
そう言って立とうと思ったら
櫻井「まだ顔白いから座ってなきゃダメだよ。」
そう言われ座らされた。
ガチャと後ろのドアがいきなり空いた。
「えっ……。」
櫻井「うわっ！！！びっくりした……」
料理長「櫻井様とお嬢様？何をこんな朝早くからなさっていたのですか……」
騒ぎになると後に面倒になるからと思って誤魔化した。
A「少し水を飲みに来てただけよ。」
櫻井「ちゃんと言わないとダメでしょ会長！」
誤魔化そうと思ってたのに。
櫻井「あの、Aさんが熱中症の症状出てたので執事さんかメイドさん読んできて貰えますか？どうにも場所を教えて下さらなくて……。」
そう言うと私の方をちらっとみた。
料理長「かしこまりました。」
走って言ってしまった。
櫻井「なんで正直に言わなかったの。」
A「そこまで酷いものじゃ無いもの。」
櫻井「軽傷だろうと重症だろうと家族や友人に伝えて損な事はないんだよ。」
そう言われても伝えても何もされなかった。
だから何。の一言で終わっていた。
我慢するしか無かったのに。
17年間そうだったのにいきなり変えられない。
櫻井「もし今まで言って来れなかったのならこれから変わればいいんだよ。」
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作者名：るーちゃぴ | 作成日時：2021年11月16日 15時
