甘さはお好みで ページ32
二月十四日、日本にはバレンタインデーという女が男へチョコレートなどを渡す文化が出来たのはいつなのかなんてどうでもいい。だが、確実なのは私は総悟へのチョコを渡さなければいけないことであった。
「……なんだかんだ作っちゃうんだよなぁ」
料理が不得意でもない私は、どうせならと何かと毎年手作りのチョコを渡していた。さすがにここでタバスコなんかをぶち込んだら本格的に殺されかねないので、好奇心を抑え辞めることにしよう。
「……今年も作ってるんだな」
「わっ……て、土方さん」
今日は昼から総悟と土方さんで見廻りだと言っていたので、サボることは出来ないであろうと考たのだが案外早く帰ってきた。ほとんどの隊士が昼食を終え仕事に戻る中、土方さんが居ないことをいいことに女中さんから許可をもらい台所で昼からチョコを作っていたわけだ。
「つい、作っちゃうんですよ。市販でもいいきがしますけどね」
「もういっそ私がプレゼントとかやってみればいいじゃねぇか」
「確実に私が調教されるパターンですよ、分かって言ってますよね?」
まぁな、とタバコをくわえる土方さんは手に大量のチョコレートを持っていた。きっと見回り中にでも貰ってきたのだろう。
「ま、後で総悟も来るだろうから。……終わったら仕事しろよ」
「あり、甘いですね。やっぱり浮かれてるんですか??」
馬鹿か、と私の額に強めのデコピンをして台所を出ていったがあれは絶対に浮かれていた。知らんけど。
冷蔵庫で冷やしたチョコを取り出してラッピングをする。きっとそんなに甘ったるいのは好きじゃないから、去年よりもビター強めのチョコレートだ。
こんなイベントに浮かれてる私も案外馬鹿である。でもまぁ、感謝しているんだ。こういう日がないとなかなか伝えられないこともあるでしょう?
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ゆうひ(プロフ) - マダヲさん» ありがとうございます〜!好みにドンピシャだなんて、書いていて本当に良かったです。狂愛、みたいなものも大好きでして…笑本当にありがとうございます〜!!! (2019年4月5日 8時) (レス) id: cee43a9737 (このIDを非表示/違反報告)
マダヲ - 初めまして。堕天使さんの作品から来ました。題名に惹かれて覗いてみたら、私の好みにドンピシャで、特にいっそ殺してしまおうかの最後とか、ゾッとして素敵でした。これからも応援しているので、頑張ってください(≧∇≦) (2019年4月5日 1時) (レス) id: ad70ae180d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうひ | 作成日時:2018年5月13日 1時