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安吾さん 1 ページ8

『君なんて使い物にならない。』

太宰さん…?

『ただ沢山の異能が使えるだけ、そうだろう?』

押し倒されて首に細長い太宰さんの指が伸びてきた。

『うまく操れず、君は私を殺してしまうだろうねぇ。』

太宰さんじゃない。

誰?

『探偵社員もポートマフィアも消してしまう。君は爆弾だよ。』

段々首を絞められる。

苦しくて声も出ない。

頭がくらくらする。

俺は太宰さんに手を伸ばした。



助け…て

袖を引っ張った。




ハッと目を覚ました。

「大丈夫ですか?」

「あ…んご…さん?」

俺は安吾さんの袖を掴んで居て、安吾さんは俺の手を握った。その瞬間ふっと力が抜ける。

ここは何処だろうか。そう思って居ると安吾さんは察したのか此処は安吾さんの自宅だと説明した。

「まだ少し息が荒いですね、怖い夢でも見たんですか。」

「太宰さんに…首を絞められて『君は使い物にならない』と言われました。」

「太宰君に?」

「はい。」

もしかしたら何かの暗示とかかな…

「そう言えば俺、なんで安吾さんの所に?」

「貴女の存在が物語を狂わします。」

唐突に言われた言葉。

「…俺が別の世界の人間だからですか。」

「察しがいいですね。」

「たまたまです。」

理由はもう一つあると安吾さんは言った。

「貴女が沢山の異能を使えるからです。」

ドクン…と心音が大きく聞こえた気がした。

「沢山使えるということはすべての異能を駆使する事が可能です、だから世界を救うことも壊すことも出来る。そんな貴女が組合との抗争に入ったら…。」

「…世界が壊れると?」

安吾さんは頷き、メガネをあげた。

「そんなの…重々承知ですけどね…。」

「兎に角それが理由で貴女には3日間眠ってもらいました。」

「え…3日?」

「えぇ。」

安吾さんは表情を一つも変えずにそう言った。

組合編終わったやん…。でも、また何かある可能性がある…国木田さんの事件とか雫李達の事件みたいのがまた起るかもしれない…。

「…また一つか二つは何かあるかも…。」

「そんな滅多なこと云わないで下さい。」

「すみません…あ、異能で見てみよ。」

俺は異能力を発動した。脳内に映像が流れる。


ボロボロの探偵社が映る。

ドクン…ドクンと心拍数が上がる。

目が紅く光る太宰さん、中也さん

それだけじゃない…皆…?

「あ…くぅ…!!」

耳鳴りが煩い。頭が割れそう…痛い。

「あああっ…はぁ…ああ…!?」

やばい本気で拙い…。

異能がとまらな…!!

安吾さん 2→←歯車



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舞華 - 物凄く面白いです! 私にしては珍しく泣きそうになりました。←知るか、ですよね。ごめんなさい。 更新期待しています! (2017年8月23日 22時) (レス) id: c608e0f4fb (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - 続きが気になります!更新頑張って下さい! (2017年8月12日 13時) (レス) id: 8ef45f8c23 (このIDを非表示/違反報告)
(~・д・)~ - めっちゃこの作品面白いです! 実は一章の最終話泣きましたw そのくらい見ごたえがあります! これからも頑張ってください!! (長文失礼しました…。) (2017年5月8日 23時) (レス) id: 4c2464909d (このIDを非表示/違反報告)
あらりぶ(プロフ) - お話面白かったです。更新頑張ってください! (2017年2月5日 17時) (レス) id: ddec9d4afe (このIDを非表示/違反報告)
明石(プロフ) - オリフラを外してください (2017年1月9日 12時) (レス) id: d2dad95824 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜野 空 | 作成日時:2016年12月29日 15時

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