レッツ・アゴペータイム！ (ページ17)

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いつか感情のコントロールが上手なんて評価をもらっていた彼女は、僕からすれば泣き虫だ。

初めて彼女と出会った時、彼女はまん丸な瞳からぼろぼろとこれまたまん丸な涙をこぼした。
それからずっと何かあるたびに彼女を気にかけ彼女もまた僕を頼り、その間彼女は何度も僕の前で泣いた。

初めて案件をもらって、思うように行かなかったときも。

アンチがついてコメントに刺々しい言葉が並んだ時も。

自分の努力が足りないと思い込んで自分自身を追い込んでしまった時も。

感情をコントロールするのが上手なんじゃない。ただ、強がりなだけだ。

そう言えば彼女を良く知っているのは僕なのだと示せるだろうけど、彼女が実は弱いことは、ぼくだけが知っていればそれでいい。そんな風にも思ってしまって。

どうしてそこまで彼女を気にかけているのか。幾度となく聞かれたそれは、まだ自分でもわからない。強いて言うならば好きだから。なぜ好きなのかは、まだ自分でもわからない。強いて言うならば、なんだろう。

「刀也先輩？どうしました？」

「…いや、今日授業ないから鞄取ってこないとと思って。財布は持ってきたけど他置いてきたから」

「えっ！今日もう終わりなんですか？」

「うん。…どっか行く？合格祝い」

「行く！」

「じゃあ待ってて。近くにカフェあるから入っててもいいよ」

「はーい」

「どこ行きたい？昼時だしなんか食べてから行く？」

「ごはんは〜……あの」

「ん？」

「刀也先輩のカレー食べたいとか、ダメですか」

「….いい、けど。いいのそれで」

「それがいいです」

「じゃあとりあえず僕の家…そのあと、どっかいく？」

「…刀也先輩といれるならどこでもいい、ですけど」

強いて言うならば、こういうところなんだろうなと。

「………お前まじでそれガッくんに言ってないだろうな」

「言うわけなくないですか！？だから刀也先輩モテないんだ！！ロリコンとか言われるんだ！！」

「おい最後のは絶対関係ねぇだろ！！」

「うるさいばかばーか！」

「ガキか！！」

やっぱり、強いて言うところも無いかもしれない。