第二歩 ページ42
月ノも、葛葉も、剣持も、今までにないほど目を大きく見開きひまわりを凝視している。葛葉にいたっては若干後ろに飛び退っていた。
鮫島はひまわりに心を許していなかった?
何を考えているんだ本間ひまわり。咬くんはひまを特別だって言ってくれた。何があっても手放したくないものだって言ってくれた。ひまわりと会えて、幸せだって言ってくれた。
「…ひま、ちゃん?」
「咬くんは!」
「っはい」
剣持がおずおずとひまわりに近づいてくる。それをひまわりは剣持の両肩をがしりと掴み静止した。
「咬くんはにじさんじのみんなの事が!!呆れるくらいに好きやったんよ!!」
「…はい?」
「ひまは咬くんの特別やった自信もないし咬くんの事全部わかってる気もせん。けど咬くんがひまも呆れるくらいばかみたいにみんなのこと好きやったことはわかるよ」
一息に言い切ったひまわりに、目の前の剣持がぱちぱちと瞬きを繰り返す。
「…そりゃ、あの人は嘘なんじゃないかって疑うくらいには人好きでしたけど、それが何か…」
剣持のくぐもった鼻声がそう言って、ひまわりはハッとする。
自分が何を言いたかったのか、何を思って今このタイミングで鮫島がみんなを好きだった、なんて叫んだのか。正直、自分でもよくわからなくなってしまった。
「…なんか、色々考えてたら、そこに行き当たってしまった…ました」
ごめん
1人訳のわからない事で突っ走ってしまったと恥ずかしい気持ちが込み上げ、小さくそうつぶやくと剣持が仕方なし、といった調子で柔らかく微笑んだ。
「まぁ、確かに咬くんはかなり僕らのこと好いてましたから、なんでだどうしてだって考える前にその再確認もいいんじゃない」
ま、それはそうとしてツイッターにログインした意味がわかんないとなんともって感じですけど
剣持の言葉に、なぜか呆然とした様子の葛葉が控えめに手を挙げた。
「葛葉…なんかあった?」
「…いや、ほんひまのやつで思い出したんだけど、さめさんって記念配信の時、台本全部ツイッターの下書きに書いてなかった…っけ」
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作者名:でん太郎 | 作成日時:2022年10月9日 15時