せめて今日だけは消えないで3 ~fin~ 【ARS】 (ページ29)

今日:6 hit、昨日:7 hit、合計:24,657 hit

＊124＊ページ29

和side

なんで星を見よう、なんて言ったのか正直自分でも分からない。

理由なんてないけど急にそんな気分になって、ベランダに出た。

智「風邪引くよ」

上着が優しく肩にかけられる。

後ろからみんなも出てきて5人一直線に並ぶ。

雅「うわぁー、星めっちゃきれー」

潤「ほんとだ、すげえ」

空を見上げると満天の星。

前にもこんな星空を5人で見たことを思い出す。

なんだかこの空を見てると吸い込まれそうになる。

和「俺、みんなに受け入れてもらえるかな」

智「え？」

和「体力も落ちたし、前みたいに上手く喋れるかも自信ない。病気だった俺が戻ってきても同情の目で見られるだけかもしれない」

実はずっと不安だったこと。

星を見てたらなぜかみんなの前なのにぽろぽろと口からこぼれてしまった。

しばらく沈黙が流れる。

和「…ぁ、ごめん独り言」

そういった次の瞬間ぎゅっと肩を抱かれた。

続けてその上からさらに誰かが手を置く。

翔「たとえ病気になってもニノはニノ。みんなニノを待ってくれてるよ」

雅「仮にニノが傷つくようなこと言われても俺らが絶対守るから」

潤「もしニノのことが世間に受け入れられなくても俺たちだけはニノの味方だよ」

智「だから俺たちの隣にいてよ、ニノ」

和「…うん、ありがとう」

俺も、あなたたちが隣にいてくれたらそれでいい。