【ONEPIECE】クソ女が

クソ女その9 ページ9

＿＿＿＿side S＿＿＿＿


本当に、ここへ来たのは気まぐれだった
たまたま白ひげ海賊団がいたんだ

おれも最初は、軽率に近づくべきではないしここは穏便に行こうと思ったが
どういう訳かちょうどおれが誰かと宴をしたい気分だったんだ

だから、危険を承知でわざわざ乗り込んだ訳だが




「お前XF型か？！」


「XF型だけどRh＋だ！！」


「もう副作用が出るのを承知でRh＋の血を入れるしかないんじゃ…」




最初はおれが来たことに驚いていたが
直ぐに船員のなかで別の話題になり
おれのことよりもそっちのことで焦っている様子だった




「誰か相当な怪我でもしたのか…」




そう思って、船員の1人に事情を聞こうとしたその時




「ッ、赤髪！アンタ何型だ？！」




あちらの方から話しかけられた




「XF型、一応Rh−だが…」(Rh−は作者の捏造)


「！」




おれがそう言った瞬間、船員全員がおれの方へ顔を向ける
そしてその中の船医であろう男が
本来なら敵であるおれに頭を下げて言った




「頼むッ…アンタの血を分けてくれ…！この通りだ…！！」




それは本気の目で、態度で、おれに助けを求めていた

そんなやつの願いを断るほど
おれも落ちぶれちゃいない




「……お前らに貸しを作るのも、悪くないな」


「！！……ありがとう」




船医は礼を言って、おれを手術室に連れていく



ガチャッ




「おれの血で良ければ、いくらでもやるが」


「！！赤髪…」




おれが随分前からウチに欲しがっているマルコが
随分と疲弊したような顔で執刀していた
手術相手は……




「＿＿女か」




おれは隣の手術台に寝転がり
血を抜かれる




「まさか…お前の女かマルコ！」


「違ぇよい！！コイツはさっき廃船で拾った死にかけの女だ、今はまだ危ない橋を渡ってるところだよい」


「このおれの血を分けたんだ
大丈夫だ、そいつは助かる」


「それを決めるのは、この後のコイツの回復次第だよい＿＿＿だが」




助かった、ありがとな

と言って、女の折れた骨をネジで固定していく

なぜ廃船で死にかけてた女なんて拾って助けてるのか知らんが
それはこのオペが終わったあと酒でも飲みながら聞こう




「＿＿助かるといいな」




おれは血を抜かれながら
横で小さく息をする女を見て
ただ助かることを願った






────

これを書くのにいっぱい血液型のこと調べたけどよくわかりませんでした
XF型Rh−にはXF型Rh−の血しか対応しないって事にしといてください…

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