同じ世界【神木隆之介】

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あの日から1ヶ月。来るな来るなと願っていた、二人同時の休日。
私はこれでもかというほど鏡の中の自分の姿を見直してから部屋を出た。

神木さんは先に行っている。スキャンダルは本当に、なんとしてでも避けたい。以前、大事にはならなかったものの、熱愛報道をされたことのある神木さんはなおさら。

ああ、失敗した。
自分で思い出して、思い出した内容に押し潰されそうになる。

なんで神木さんはわたしを誘ったんだろう。幼馴染の彼女がいるのに。
出かけるなら私じゃなくて彼女でも良かったはずだ。私なんかより背が小さくて、可愛くて、綺麗で。神木さんの隣に並んでも、違和感のない彼女が。

思えば思うほど胸が苦しくなる。私は他のファンみたいに優しく見守ってあげる事は出来ない。むしろ嫉妬する。あの大人気の有名人の方が結婚した時起きた現象みたいに、"神木ロス"とか、そういうレベルまではならなかったけど、しばらく神木さんが出ている番組や雑誌は見れなかった。

少し下を向いて歩く。
マスクをして、伊達メガネをして、帽子を被ると怪しくなるから、あえて被らず、自然に見えるように。

滅多に履かない、パンプスを履いてきた。いつもより少しだけ鮮やかにメイクをした。普段より華やかな、可愛らしい服を選んだ。
でも、寒色系に統一した。
あの人は、なんだか暖色系のイメージがあるから、対抗するように寒色系を選んだ。
こんなことしても、意味なんて無いってわかってる。わかってるけど、あの人と同じになりたくなかった。

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