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「聞いてもいいやつ?」
「いーですよ。別に」

でも少し酔ってから。と付け足す。

「じゃあメイク落として、着替えちゃお。どうせ泊まるんだから」

坂下さんのその一言で、飲みかけのお酒をほったらかしてシャワーを浴びた。
その後に坂下さんもシャワーに入る。
坂下さんがシャワーに入ってる間に髪を乾かして化粧水を塗る。
パック、どうしよ。

迷ったが、やめた。
なんとなく、肌が荒れすぎてるような気がして、逆に良くない気がした。

「お待たせ。じゃ、呑もっか」

缶のまま軽く乾杯をする。

「成人したから、心置きなくお酒飲めるね」
「好きなだけ飲めます」
「タバコ、吸うの?」
「タバコは、吸いません」

そっか、と坂下さんが微笑んだ。



しばらくは、世間話をしながらずっとお酒を飲んでいた。

「んで?どーゆーことなの?アレ」
「刺したんです」
「それはさっき聞いた。理由」

坂下さん、酔ってる。
すごくお酒に強いわけじゃないのに、適量を超えて飲む。
普段はそんなハメを外さない人だけど、今日は飲まずにはいられなかったみたいだ。

「気持ち悪かったんです」
「何が?」
「気持ちが」
「原因は?」
「…神木さん」
「またあの男?今度は何をしたの?」
「聞かれたんです」
「何を?」
「嫌がらせのこと」

何本目か分からない缶ビールのプルタブを開ける。
いつの間にか、買ってきたカクテルは全て空になっていて、買い溜めしておいた缶ビールも底をつき始めている。

「はぁ?なんで?」
「知りません。私のこと元気づけようとしてくれたのは伝わってきたんですけど、私、八つ当たりしちゃって」

お酒に強い私でも、うまく呂律が回らなくなってきた。
頭がぼーっとする。
炭酸の刺激もまったく気にならなくなっていた。

「それは神木くんが悪い。Aちゃんは悪くない」
「そう思いますか?」
「うん。100パー神木くんが悪い」

でも、あの子なりの優しさなんだよね…と、缶ビールを飲み干しながら坂下さんが言った。

「気遣ってくれてるのはわかってるんです。でも素直に喜べなくて、逆に腹が立つんです。なんで私に構ってくるんだろうっていつも思うし、私なんか一緒にいても楽しいことないのに」

空になった缶ビールの缶を机に置き、新しい缶ビールを取りに冷蔵庫へ向かった。

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設定タグ:神木隆之介 , アミューズ , 俳優   
作品ジャンル:タレント
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mari(プロフ) - 鼎さん» わかりました!!ありがとうございます。 (2016年4月8日 0時) (レス) id: 0155b92c5f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - mariさん» オリジナルの苗字は使用していません。読者様に自由に設定していただけるようになっています。ですので、主人公ちゃんには苗字の設定をお願いします! (2016年4月5日 6時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
mari(プロフ) - 物語に使われているオリジナルの苗字ってなんですか? (2016年4月5日 0時) (レス) id: 0155b92c5f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 由璃香さん» 嬉しいコメントありがとうございます!のんびり更新ですが完結まで頑張りますので、これからもこの作品をお願いします! (2016年4月3日 17時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
由璃香 - この小説、凄く面白いです!文章がとても綺麗で感動しましたっ!感情が複雑なのに理解しやすくて読みやすくて…。更新頑張ってください!楽しみにしています! (2016年4月3日 15時) (レス) id: 3786959345 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年1月9日 8時

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